(画像は、ヴァイスの公認大会に出ると、参加賞としてもらえるデッキケースです。ほかにも各タイトルのデッキケースがあるぞ)
発売当初、一部では「どこそこで売ってる」「いや売り切れた」と情報が錯綜してたヴァイスシュヴァルツ。
出てからの手ごたえをどう判断しているのか、ブシロードの木谷社長に聞いてみました。
【２００８年４月１１日 ブシロード本社にて取材しました。】
○素早い再生産は何のため？
僕 「どうやら本当に、あっという間に売り切れたみたいですね。あっちこっちで」
木谷社長(以下社長)「おかげさまで。
アニメ放映の無い地域等では、まだ動きの弱いところもあるんですけどね。
結果としては全国的にまったく足りなかったようです。特に都心では探して下さっている方も多いですよね。」
僕 「うちの練馬店なんかもカートン単位で入れてたんで余裕だと思ってたんですけど、あっさりと初期入荷分は完売して、急いで追加発注しましたよ」
社長 「池田さんの見通しが甘かったって事じゃないですか？」
僕 「でも構築済みをカートン単位でですよ？！まあ・・・結果的にそれでも足りなかったんだからおっしゃる通りですが・・・」
社長 「それで、お客様からの問い合わせだけでなく、お店からの要望も殺到したという事で、再販を早めに決定させて頂きました。
今週から受注(お店からの注文)をお受けしています。」
僕 「いや、マジ店としては助かりますよ。
カードゲームはいつも、人気が集中するとすぐ売り切れて、なのにメーカーによっては全然再販してくれなかったりして・・・
せっかく広がるタイミングなのに、肝心の商品が無くてアウトオオオ！・・・とか言うのが本当に多いですから！」
社長 「僕もヴァイスに賭けてますからね。
お店が『足りない』と仰ってくれるなら、お互いにとってもチャンスなわけですし、すぐにお答えしたいとは考えていました。想像以上の反響でしたが。
実はこれでも、最初の締め切りの受注数量の三倍作ったんですよ。」
僕 「な、なんですって！？三倍？どどどどういう強気生産なんですか？！」
社長 「強気というより、お店様、お客様に対して、
『ヴァイスが手に入る環境』
をできるだけ維持する事がメーカーとして義務だと考えたんですね。
なにしろヴァイスは、夏からが本番ですから。」
僕 「あ、そうだ。トライアルデッキが発売したから、『もう始まった』ような気がしていましたが・・・・」
社長 「トライアルはあくまでトライアル。
正確には五月末に発売するブースターセットからが、ヴァイスの本格始動ですからね。」
僕 「そういえばそうだ。五月末にダカーポとペルソナのブースターが出て、そこからゲームとしてもデッキが色々・・・
いや、今のカードだけでマジ色々なデッキが組めるらしいんですが。」
社長 「メディアの告知やプロモーションも、全部そこに集中して組んでいます。
五月からは本当にあちこちで“ヴァイスシュヴァルツ”の広告が目に入る事になると思いますよ。どんどん盛り上がってくる。」
僕 「ニコニコ動画の広告も好評みたいですね。」
社長 「あれは絶大な効果がありました。今後も時折投入していきますが、今後はテレビコマーシャルもガンガン放映されるようになりますよ。」
僕 「今度はもっと在庫を持っておかないと。チャンスロスはしたくないですね。」
○感染拡大中！そしてその後は感染爆発？！
社長 「で、どうです池田さん。お店でのお客様の反応は？」
僕 「お？なんかインタビュアーが逆転しましたよ。(笑)
そうですね、以前にもお話しましたが、僕はやっぱり現場の人間なんですね。
どんなに社長からお話を伺っていて、なるほどこれは売れそうだ、とか、未来がある、と思っても、やはり売り場に立って、直接商品を買って下さるお客様を見て、その商品の今後を判断するんです。
で、ヴァイスは、とても面白い売れ方でしたので、これは大丈夫だと思いました。」
社長 「良かった。それは期待していた通りの反応です。」
僕 「ヴァイス発売前に、『買う』『買わない』といった話をしていた、いわゆる『カードゲームヘビーユーザー』とはまったく違う、ごく普通の中高生が買っていくんですよ。
店にはきてるけど、たとえば遊戯王をプレイしているだけで、他のゲームに全然興味を持ってなかったようなライト層が、こぞって２、３個買っていってくれる。そういう人が凄く多いんです。」
社長 「アンケートからも同様の動きが見て取れます。
これをきっかけに学校の友達と一緒に始めよう、という人が今までにないほど多いですね。
ニコニコで見て期待してた、とか。」
僕 「良い広がり方ですよね。
ヘビーユーザーももちろん買ってくださるんですけど、そういう人たちとライト層って、ある種の壁があったんです。
店によっては、その壁を破ってコミュニティを広げるチャンスになる素材だと思います。
そんな壁の破壊を求めていない所もあるでしょうし、場所によりますが、僕は客層が広がる商材は好きなので。」
社長 「ユーザーの皆さんと、推してくださるお店様のおかげで、仲間が仲間を呼んで・・・という加速が凄いようです。
そういう意味でも商品が切れるのはまずい、と考えてすぐ再生産したわけですが、僕はこれを“感染拡大”と呼んでます。」(笑)
僕 「バイオ・ハザードですか。(笑)・・・・・かゆ。うま。」
社長 「で、七〜八月になったらまさに“感染爆発”(パンデミック！)ですよ！あっという間にデュエルスペースに、ヴァイスのプレイヤーがあふれかえる状況になると思いますね。」
僕 「最近の都心のカードショップは、店ごとに力を入れるゲームを変えて“住み分け”されてますが、ヴァイスのプレイヤーの集まる店もできるでしょうね。」
と、言うわけで、構築済みの発売により動き出したヴァイスシュヴァルツですが、
実はまだ始まっていない、本格始動は五月末からっ！
という事で、更なる期待ができそうです。
オマケ
ブースター描き下ろしカード情報
5/29（木）に発売する“D.C. D.C.II”“ペルソナ３”、および6/27（金）発売の“リトルバスターズ！”八月発売の“ゼロの使い魔”のブースターには、なんと各セット２０枚前後の書き下ろしカードが封入されているらしい！
ペルソナにはなんと、原作の絵師、副島さんの描き下ろしが、ダカーポではたにはらさんが・・・と、オフィシャルイラストレーターの描き下ろしが入るという、超豪華仕様！
それ以外には、その作品のコミック作家、あるいは有名イラストレーターさんによる描き下ろし等という事で、コレクションとしても良いものになりそうだ。
【２００８年４月１１日 ブシロード本社にて取材しました。】