中国兵器、荷下ろしできす「漂流」 ジンバブエ向け輸出2008年04月23日22時36分 【ワシントン=鵜飼啓、北京=峯村健司】大統領選後の混乱が続いているアフリカの内陸国ジンバブエへ、中国から武器を満載して向かった船が南アフリカの港で荷下ろしを拒否され、近海を「漂流」している。ジンバブエの緊迫した情勢から、火に油を注ぎかねないとみた米政府が周辺国に受け入れ拒否を働きかけたためだ。
現地からの報道によると、カラシニコフ銃の銃弾300万発や迫撃砲弾3千発などを積んだ中国の貨物船が先週、南アフリカのダーバン港に入ったが、港湾労働者が荷下ろし作業を拒否。貨物船は荷下ろしできないまま、出港を余儀なくされた。モザンビークやアンゴラも貨物船の入港を拒否しており、引き渡しの見通しは立たないままだ。 米国務省のケーシー副報道官は22日の会見で、「政治的激動が起きつつある中、武器を供給することで事態をあおるのは不適切だ」と指摘。周辺の沿岸国に荷下ろしを受け入れないよう求めたほか、中国政府とも対応を協議しているとした。ロイター通信によると、ブラウン英首相も23日、「ジンバブエに対するあらゆる武器輸出の禁止を(国際社会で)推進していく」と英議会で述べた。 中国政府はジンバブエとの武器取引について「正常な武器取引で(選挙前の)昨年、契約を結んでいた」と説明、輸出そのものには問題ないとの立場だ。だが、中国外務省の姜瑜副報道局長は22日の会見で「予定通りに引き渡せず、海運会社は中国に送り返すことを検討している」と述べている。 英国際戦略研究所の年次報告書「ミリタリーバランス2008」によると、中国の武器輸出総額(06年)は7億ドルで米国(140億ドル)、ロシア(58億ドル)などに続き世界5位。だが、中国外務省関係者は「昨年の世界の武器輸出に占める中国の割合はわずか2%で世界第10位。最大の米国の30%と比べたら小さい」と主張している。 PR情報この記事の関連情報国際
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