袋の内側に大量の殺虫剤　高砂・中国製ギョーザ中毒

　中国製ギョーザ中毒事件で、兵庫県警捜査一課は二十二日、高砂市の家族が食べたギョーザの包装袋に付いていた有機リン系殺虫剤「メタミドホス」の検出量などを発表した。袋の内側八分の一を調べた結果、メタミドホスが二・〇八ミリグラム付着。トレー裏側の半分からも〇・三八四ミリグラムを検出した。同課は「残留農薬とは考えられない量」としている。

　鑑定したのは袋とトレーの一部で、事件発覚当初にメタミドホスの付着の有無などを調べた後に残った部分。警察庁科学警察研究所が調べた。

　また、被害に遭った父親(５２)と次男(１８)の胃の洗浄液も鑑定。父親から一ミリリットルにつき〇・〇五二ミリグラム（五二ppm）、次男からは〇・一〇三ミリグラム（一〇三ppm）を検出した。

　この濃度で見ると、ギョーザには少なくとも基準の四-八倍のメタミドホスが含まれていたことになる。被害に遭った母親(４７)は「家ですべて吐いてから胃を洗浄したのに、高濃度の毒物が検出されたとは」と驚き「忘れようとしているが、時々、後遺症が出るかもしれないと不安になる」と語った。家族の体調はまだ万全でないという。

　問題のギョーザは、中国・天洋食品が製造した「中華ｄｅごちそう　ひとくち餃子」で、高砂市の家族は今年一月五日の夕食に食べ、下痢や、めまいなどの症状が出た。

　同様の被害に遭った千葉県市川市の子どもが吐き出したギョーザからは三〇〇〇ppm以上のメタミドホスが検出された。

(4/22 23:15)