トランジスタの種類と歴史  top map map55 半導体の歴史概要説明  トランジスタの原理 集積回路の製造
                           物質バンド構造 半導体の種類とバンド構造 ダイオードの動作原理 接合トランジスタの動作原理
                           電界効果トランジスタの動作原理 最初のトランジスタ 集積回路



トランジスタ前の歴史(ダイオード)
 半導体にはP型とN型があり、この2種類を接合したものがダイオードと呼ばれ、トランジスタが発明される以前の1939年米国ベル研究所のラッセル・オル( Russell Ohl)によってゲルマニューム半導体を使用した最初の電子素子であるダイオードが発明されました。これには一定方向にのみ電流を流す整流作用があり、電波を検出する検波器として使用されています。




  トランジスタには大きく分けて接合型トランジスタ(Bipolar transistor)と電界効果トランジスタ(Field effect transistor: FET)があります。

接合トランジスタ(bipolar junction transistorBJT) 
 1947年バーデン(John Bardeen)、 ブラッデン(Walter Brattain)によってゲルマニュウム半導体に電極を接触させた点接触型トランジスタが発明されましたが、接触状態が安定しないことから、広く実用になることはありませんでした。
 1951年ショックレ(William Bradford Shockley)によって発明された接合トランジスタはP型とN型の半導体(ゲルマニュウム)の真ん中に他の半導体挟んだ構造(P型の両端をN型で挟んだNPN型、N型の両端をP型で挟んだPNP型)をしておりそれぞれの半導体にエミッタ・ベース・コレクタと呼ばれる3つの端子を取り付けたものです。
 電気的には、ベースとエミッタ間に流れる電流の変化が、コレクタとエミッタ間に流れる電流を大きく変化させる(増幅)特性があり、信頼性の高い半導体増幅器等に使用されています。
 1954年 ゴードン・テル(Gordon Teal)によってシリコン半導体によるトランジスタが発明されました。



電界効果トランジスタ (field-effect transistorFET)  
1962年RCA 研究所のスチーブン・ホフステン(Steven Hofstein)フレデリック・ハイマン(Fredric Heiman)によってMOS電界効果トランジスタ
( metal-oxide semiconductor field-effect transistors (MOS FET) )が作られました。
 これは、P型またはN型の半導体基板の表面ににゲート(狭い領域 チャネル)を作り、その両端にソースとドレーンという端子をつけ、N型チャネルを蔽うようにゲート取り付け、この電圧を負側に変化させると、N型チャネルを電子が通過できなくなります。このようにソース・ドレン間に流れる電流をゲートにかける電圧を変化させることによって制御する方式のトランジスタで、パソコンなどに使用される集積回路には主にこの方式が使用されています。