「ヒロシとナツミが始まるまで」
約束の日 Kくん(10年越しの彼)と朝、待ち合わせした
Kくんが 仕事で下見しなくちゃいけない所があるから
そこに付き合ってと言う
「ナツミ 暑いの嫌いだろ 近くまで車で迎えに行くから」
優しいね 相変わらず
わたしに不快な思いをさせたことは無いよね
その代わり 欲しい言葉もくれなかったけど
ちょっとだけ遅れて待ち合わせ場所に着いて
彼の車を見つけた
Kくんに逢うのはなんと4月以来だった
その日は8月も終わろうとしてる頃
その日 彼は仕事で徹夜明けだった
一睡もしていない彼が心配だったけど
「大丈夫だよ」と優しく笑う
この まったりとした時間の流れ
彼といると味わえる不思議な安心感
それは変わらないままだった
「わたしは何をしているんだろう」
その思いが頭をぐるぐる駆け巡ってた
これといった話もしていない
もともと らぶらぶな会話などしないから
友達同士のような楽しい会話しかない
彼の仕事が終わり 「どうする?」ということになった
今までのわたし達なら どうしたか・・・・・
このまま遊びに行くのもアリだけど
ホテルへ行くのもアリ
彼は4時くらいまでしか一緒にいられないと言う
徹夜明けのまま また仕事だ
飲食店の運営に携わっている為 毎晩深夜まで働く
お台場にいた私たち
わたしは「大江戸温泉物語でも行く? 」と何気なく提案した
意外にも「行ったことないから行こうか」となった
好奇心旺盛な彼らしい答えだった
これといった会話も出来ず 何故だか温泉へ・・・
浴衣を選び 着替えて館内を楽しむ
古い町並みを再現したような作りで
男女別のお風呂以外は浴衣同士で一緒にいられる
足湯なんかは一緒に入れたりする
とりあえず すぐお風呂に入った
土曜の午前中に・・・・ なんか変な感じ
食事をした後 彼はマッサージを受けると言うので
わたしはリクライニングシートのある仮眠室で待つことにした
気持ち良くウトウトしていると 彼が迎えに来た
大広間へ行き 彼は横になって少し寝てしまった
30分くらいのことだったかな
わたしはずっと 彼を見つめていた
彼に逢うのはこれが最後になるかも知れない
いや そうなるんだ
10年余り 愛しく想い続けた彼だった・・・
涙がこぼれてきた
わたしは後4年も待てないし
待ったところで なにがあるのかもわからない
だって 「愛してる」も言ってもらってないんだもの
わたし達は肝心な話をしたことが一度も無い
想いを確認し合ったこともない
わたしは既婚 彼は独身
どうにもならないことを彼はよく知っている
初めて逢った時 彼は26才で長髪だった
たまらなく優しい目をしてる
会話が楽しい人だった
いつでも優しくしてくれた
「今 俺の事を一番想ってくれるのはナツミだけだから」
前にそんなことを言っていた
だったら なんで・・・・ どうして・・・・・
やっぱり それだけだったんだね わたし達
もうすぐ 彼は起きるだろう
もうすぐ わたし達の時が終わるんだ・・・・・
゚+o。o。o+゚☆゚+o。o。o+゚☆゚+o。o。o+゚☆゚+o。o。o+゚☆゚+o。o。o+゚
<今日の二人>
今日も朝
した そしたら
が鳴った
「おはよう」 「おはよう」
今日はしんどくなさそう
わたしがいつものように ぐずぐず言ってたら
「こんなに大切に 大切に 大事に想ってるのに・・・」
「えっ
」
「えっ
」
「そうなんですか? 」
「そうですよ」
「あまり 伝わってこないんですけど」
「そうですか? 」
「そうですよ」
わたしたちは 時々こんなバカな会話をする
「俺たち バカップルだから」 とか
「バカでいいんだよ」 ってヒロシはよく言う

なんだかわかんないけど
ヒロシにそう言われるのは好き
「ナツミはすごい寂しがり屋なんだな」って言われた
返す言葉もありません
「好きって 愛してるって いつも発信していたいんだもん
ヒロシには言っていたいんだもん 言わずにいられないの」
「ついこの間まで ブログの彼を想ってたのにね」
「・・・・・・・・」 イジワルだなぁ ヒロシ
そんなこんなしてて わたし達は ちょっと・・・
Hモードに突入


いやん(。-_-。)ポッ 朝から~
しばし 快楽のとき
「ヒロシ・・・」
「なあに? 」
「逢いたいよ」
「来る? 」
「行きたいよ でもヒロシ忙しいでしょう
いつどこにいるんだか わかんないもん」
「いつどこの女といるのかワカンナイって?(笑) 」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「どうしても逢いたくなったら どうすればいいの」
「ガマンするか 行動に出るか ナツミ次第だよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「逢いたい時に すぐ逢える距離だったらなあ・・・・・」
「・・・・・・・・」
今は忙しい時期だから無理だけど
来月になったらわからないよ とヒロシは言う
時間ができるかも知れないからと
わたしは今逢いたいよ ヒロシ
離れてると ちょっと逢うとか出来ないんだね
近くにいない人を好きになったのは初めてだから
寂しいよ・・・ ヒロシ
「俺だって寂しいよ
でも それより俺はナツミの声が聞きたい
とにかく声が聞きたいよ
初めてナツミの声を聞いた時の感動が
今でも鮮明に蘇るよ
ちょっと舌足らずで・・・ かわいい声の人だなって・・・」
そんな風に言われたら 嬉しいじゃない・・・・ 
上手く 誤魔化された気がしないでもないけど
わたしは今までの自分と違うこと
ヒロシには全てを出してしまうと話したら
「心を解放した時 嬉しくなかった? 」と聞かれた
「嬉しかったよぉ もう壊れた壁は戻らないよ」
「ベルリンの壁みたいに言わないでよ」
「あははw」
「今は万里の長城が出来た? 」
「ええええええ
二人の間にそんな長い道
」
「万里の長城の例えが悪いなら
ん~~~ 鍵の付いたドアかな」
「鍵かけるんでしょ
(`Д´) 」
「カギ 渡すよっ
ったく ディテールにウルサイ人だなぁ(笑) 」
「だって 鍵かけそうなんだもん
カメラとか付けそう
ああ・・・ナツミが来た、来た チェーンしようって」
「もう一つの鍵かけたりね」
「なにそれっ
」
「要塞(?って言ったかな)作って
あれ越えるのに3時間はかかるだろうから
この仕事しとくか・・・とか」
「きゃはははは(〃^∇^)o彡☆」
ヒロシとこの手の空想話をすると
ものすごく楽しい

ヒロシはわたしが沢山笑うと喜んでくれる
「もっと たくさん笑いなよ」って
いろいろ難しいことあるけど
ヒロシ・・・愛してる
どんどん どんどん 愛が溢れてくる
もう 止められないよ
いいの?・・・・・
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