県立精神医療センター(伊勢崎市国定町)に入院中の太田市下江田町の女性(当時35歳)が、副作用の危険がある精神安定剤の投与後に急死したのは医師が患者の身体状況を観察する義務を怠ったのが原因だとして、女性の遺族らが県に約7200万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(小林敬子裁判長)は23日、原告の請求を棄却した。
原告側は女性の急死の原因について、緊急性がないにもかかわらず看護師の判断で精神安定剤が投与されたうえ、容体の急変後に医師の対応が遅れたためだと主張。
これに対し、判決は「看護師らの判断は適切。医師の経過観察上の過失は認められない」として退けた。
同センターの武井満病院長は「当センターの治療の妥当性が認められた。引き続き適正な治療を行っていきたい」と話した。【鳥井真平】
毎日新聞 2008年4月24日 地方版