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ジャスラック立ち入り検査 著作権めぐり他社排除容疑

2008年04月23日15時05分

 テレビやラジオ番組で使う楽曲の放送使用料をめぐり、著作権管理団体の日本音楽著作権協会(JASRAC)の契約方法が、競合他社の事業を不当に制限し、市場への参入を排除するものだった疑いが強まったとして、公正取引委員会は23日、独占禁止法違反(私的独占)容疑で、同協会の本部(東京都渋谷区)に立ち入り検査をした。

 JASRACは、NHKや民放各局が番組内で流す楽曲の使用料について、流した回数や時間ごとに計算するのではなく、各放送局の年間放送事業収入に1.5%を乗じた金額を放送使用料として徴収する「包括契約」という契約形態をとっている。各放送局のサンプリング調査をもとに、作曲家らへの配分を計算している。市場規模は年間約260億円。

 音楽著作権の使用料を徴収し、作曲家や作詞家に分配する業務は、かつてはJASRACの独占市場だった。01年10月施行の著作権等管理事業法で、JASRAC以外の業者の参入が認められ、数社がすでに事業を開始している。

 関係者などによると、新規事業者は楽曲が使用されるごとに支払う個別処理方式での契約だったが、JASRACが包括契約方式をとってきたため、放送局は新たなコスト発生を嫌って新規事業者の管理楽曲の使用を控え、作曲家など権利者も新規事業者への楽曲の管理委託をとりやめるなどするため、新規のライバル社の参入を困難にしている疑いがあるという。参入はしたものの、ライバル社は使用料徴収額で圧倒的な差を付けられている。

 楽曲の使用をめぐる独禁法違反事件では、公取委が05年3月、音楽配信会社への利用許可を不当に制限したとして大手レコード会社5社に排除勧告を出した例がある。

 日本音楽著作権協会は「立ち入り検査には全面的に協力している。具体的な容疑は分からないが、我々は適正に音楽著作権の管理業務をしてきた」と話している。

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 〈日本音楽著作権協会〉 1939年に設立された日本最大の著作権管理団体。英語の略称から、ジャスラックと呼ばれている。全国に21支部。作詞家や作曲家などから委託を受け、放送やネット配信、カラオケなどで利用される音楽の著作権管理をしている。06年度は、約1110億円の使用料を徴収している。

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