分別ごみ混ぜこぜ焼却 bj仙台観客の善意台無し

試合会場に設けられたごみ分別コーナー。分別のかいなく、試合後にまとめられて排出された=3月15日、仙台市青葉体育館
 男子プロバスケットボールbjリーグの仙台89ERSが試合会場としている仙台市青葉体育館(青葉区)で、観客が分別したごみが収集段階で一つにまとめられ、焼却処分されていたことが23日、分かった。環境にやさしいスポーツ観戦の試みに協力した観客の実践が無になった格好。市は「不適切だった」と落ち度を認めている。

 体育館には試合当日(1)チラシなど紙ごみ(2)菓子袋などプラスチックごみ(3)紙コップ(4)弁当箱などその他のごみ(5)ペットボトル(6)割りばし―の6種の回収袋が備えられ、観客に分別を促している。
 ところが、試合後、紙ごみとプラスチックごみ、紙コップ、その他のごみの4種が「可燃ごみ」として集約され、市の処理施設に運ばれて焼却処分されていた。
 分別はチーム運営会社の仙台スポーツリンクが環境団体「みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)」の協力を得て取り組んできた。
 同社によると、青葉体育館が収集のため用意しているごみ袋が可燃ごみ用と不燃ごみ用しかなく、不燃ごみ以外は可燃ごみの袋に集めて出さざるを得ないという。

 もう一つの試合会場、市体育館(太白区)でもプラスチックごみと紙コップ、その他のごみがまとめて排出され、紙ごみは専用袋で回収。両会場とも、ペットボトルはリサイクルに回され、割りばしはスポーツリンク側が持ち帰り処理していた。
 89ERSは今季、青葉体育館で12試合、市体育館で6試合を開催。毎回約50リットル入り袋で4―6袋のごみが出た。収集は青葉体育館が仙台清掃公社、市体育館は公害処理センター(ともに仙台市)が請け負っている。
 MELONは「スポーツリンクを通じて体育館に分別した状態で収集してくれるよう頼んだが、対応してもらえなかった」と言う。

 体育館から出るごみは法的に事業ごみとみなされ、可燃ごみとして一括排出されることは違法ではない。ただ、市は紙ごみや紙コップなどは再生ごみとしてリサイクルに回すよう奨励している。
 せっかくの分別を無駄にするごみ処理に、観戦経験のある多賀城市の主婦(29)は「分別されたままで処分されていると思っていた」と驚く。太白区の無職男性(62)も「観客に分別を求めながら後で一括排出するのは、観客の善意をふいにしている」と怒っている。
 市は「法には触れないが、再生可能なごみをリサイクルに生かせず、不適切だった。各施設にも分別徹底を要請していく」と話している。
2008年04月24日木曜日

宮城

社会



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