中国の富裕層がターゲット、新ビジネス
1回のツアーで数百万円を惜しげも無く消費する中国の「富裕層」をターゲットにした、新たなビジネスが盛んになっています。 百貨店の開店時間に合わせ、大型バスに乗って次々と銀座にやってくるのは、中国人のツアー客。 「世界的なブランドは要りません。日本のブランドはどこにありますか」(ツアー客) 6日間ほどで京都や箱根などを周り、最後に東京で買い物をするツアーが人気です。 売上高が減少している中、中国人の観光客による売上は大幅に増加。いまや無視できない「お得意様」といえます。この日銀座を訪れた田麗さんも、わずか1時間でおよそ10万円のお買い上げ。 「日本のものは品質がいいです」(田麗さん) 中国人の平均年収は都市部でもまだ17万円程度ですが、企業の経営者や外資系企業の幹部など、年収750万円を超える人が増えてきているといいます。そうした中国人の富裕層を狙ったビジネスが今、盛んになっています。 東京・赤坂の寿司店では、中国国内で13億枚以上発行されている「銀聯(ぎんれん)カード」での決済を導入しました。 「街中歩いていても、中国人の存在を肌で感じるようになってきている。利便性をちょっとでも高めるという意味で銀聯カードの導入に至った」(板前寿司、綾邦生さん) 中国政府は海外への現金の持ち出し額に制限を設けているため、銀聯カードを使った消費に期待を寄せています。 年収が数千万円を超える超富裕層を取り込もうと、健康診断を受けるために来日するツアーまで登場しました。 「相当数の超富裕層が中国の国内に存在しているのは確かだし、中国の国内でお金を使い切れない実情も耳にする」(JTB法人東京、石川智康さん) 心臓のCT検査や脳ドックを受ける7日間のツアー料金はなんと300万円。しかし、「300万という健診ツアーだが、そのぐらいの額はそれほど難しい、高いという印象を持っていない」(SBIウェルネスバンク、福澤雅彦COO)。お金があっても中国の国内では受けることができない最先端の医療に需要があるといいます。 民間だけはありません。岐阜県高山市は「中国人観光客へのおもてなし研修会」を開催しました。ここ数年急速に増えている中国人観光客を、積極的に誘致したいと考えています。 「(中国人は)なんといっても13億人いらっしゃるので、口コミで高山の評判を広げていただければ」(高山市、小瀬光則 観光課長) 急成長してきた隣りの国からやって来る富裕層は、消費に陰りが見える日本にとって、救世主となるのでしょうか。(23日16:23)
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