次は、大学の学生寮の話題です。
九州大学の田島寮は、今年度で半世紀あまりの歴史に幕を下ろします。
学生寮というと、いまどきの学生からは敬遠されがちかな、とも思うんですが、今年、最後の1年生が100人あまりも入寮しています。
上半身裸でみこしを担ぎ、天神の町を練り歩く学生たち。
九州大学田島寮の伝統行事・「樽神輿」の今から40年前の様子です。
今月1日、大きな荷物を抱えた学生が、続々と福岡市城南区の田島寮に到着しました。
今年、九州大学に入学したばかりの新入寮生たちです。
上級生が総出で、到着した荷物を部屋に運び入れるのを手伝います。
田島寮の歴史は、現在の九大六本松キャンパスにあった旧制の福岡高等学校の学而寮に始まります。
旧制高校は、現在の大学の教養課程に当たり、戦後、新制の九州大学に統合されました。
六本松キャンパスの学生は倍増、1954年、学而寮の代わりに、現在の場所に建てられたのが田島寮でした。
かつては学生運動の拠点となり、警察の捜索も受けた歴史も持つ田島寮。
30年前に改築され、現在は4階建ての建物が3棟あり、主に六本松キャンパスに通う1、2年生など、合わせて200人が生活しています。
しかし、半世紀を超す歴史を持つ田島寮も、六本松キャンパスが新しい伊都キャンパスに移転するため、今年度限りで、寮の閉鎖が決定しました。
田島寮に住む学生に寮を案内してもらいました。
近年は、学生の1人暮らしが当たり前になり、風呂もトイレも共同という寮生活を選ぶ学生は少数派。
1年生に、寮に入ろうと思ったきっかけを聞いてみました。
しかし、その寮も今年限りです。
50年以上の歴史を持つ田島寮には、昔ながらの伝統行事が今も残っています。
この日行われた、新入生を迎え入れる入寮式もその一つ。
行事の際は、上級生の雰囲気も普段と少し変わります。
寮の一員となる新入生への洗礼という性格を持った行事です。
寮生たちはこれから、田島寮の歴史を締めくくる最後の1年間を過ごします。