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「常軌逸した過重労働」指示の会社役員を逮捕 法定の2倍超
大阪府警高速隊は23日、死亡事故を起こした運転手に常軌を逸した過重労働を強い、長距離運転を命じていたとして、道交法違反(過労運転の下命)容疑で、千葉市美浜区の運送会社「白鷺運輸」専務、緒方慎司容疑者(48)を逮捕した。「代わりの運転手がおらず、得意先に迷惑をかけるので指示した」と容疑を認めている。運転手の事故前1カ月間の労働時間は法定(月177時間)の2倍超にあたる366時間に及んでいた。
調べでは、緒方容疑者は1月31日、疲労が蓄積していた運転手の秋山誠被告(34)=自動車運転過失致死罪で公判中=から「前日も居眠り運転をした」と報告を受けながら、「頑張ってこい」と声をかけ、大阪府大東市へ積み荷を運ぶよう指示した疑い。
秋山被告は運送途中の2月1日早朝、大阪市平野区の近畿自動車道上り線で、路肩に停車していたトラックに衝突、運転手の男性(44)を死亡させた。現場の約18キロ手前から居眠り運転し「衝突で目が覚めた」と供述したことから、府警は2月5日に白鷺運輸を捜索し、運行記録などを分析していた。