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ニゴロブナ増加の兆し

2008年04月17日

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【漁獲高1・7倍、取り組み奏功】

 琵琶湖固有種で絶滅危惧(きぐ)種のニゴロブナが、増加の兆しを見せている。嘉田由紀子知事が16日の定例記者会見で明らかにした。1回の刺し網漁による今年の漁獲高は昨年の約1・7倍に上り、06年度の調査でも推定生息数が調査開始以来、最多を記録したという。県は「ニゴロブナを増やす近年の取り組みに効果が出てきたのではないか」とみている。

 県は彦根市や西浅井町、高島市の漁師らに依頼し、刺し網漁による漁獲高の調査を続けている。昨年2、3月は1回の漁で約14・5キロのニゴロブナが取れたのに対し、今年の同時期では約24・8キロと約1・7倍になったという。

 また、県水産試験場の調査では、06年度の生息数の推定値は619万匹と、94年の調査開始以来、最多を記録した。98年度ごろは100万匹の大台を割り込む状況だったが、04年度ごろから300万匹を超えるなど、増加の傾向が表れていたという。

 県は、ニゴロブナを増やすため、産卵するヨシ帯の再生に取り組み、79年度から約22・6ヘクタールのヨシ帯を造成。また、サイズの大きな稚魚を放流する試行や体長22センチ以下を取らない漁獲制限、ブラックバスなどの外来魚の駆除などを進めている。嘉田知事は「産卵時期に合わせて水位を保つ、国土交通省による瀬田川洗堰(あらいぜき)の水位操作も間接的に効いているのではないか」と話した。

 同試験場は「まだ、天然魚より放流魚の方が多い。増加の傾向を着実にし、天然魚を増やしたい」としている。

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