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北朝鮮・拉致問題:放送要請は「違憲」 大阪の市民団体、国とNHKを提訴

 増田寛也総務相が北朝鮮による日本人拉致問題についての国際ラジオ放送をNHKへ要請したのは「表現の自由を定めた憲法に違反し、無効」として、大学教授や主婦らの市民団体「NHK市民の会」(大阪市)の7人が23日、国とNHKなどを相手に1人1万円の慰謝料を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 増田総務相は1日、改正放送法に基づき、拉致問題に特に留意した国際放送をするようNHKに求め、NHKは要請に応じている。

 NHKの短波ラジオ国際放送を巡っては06年11月、当時の菅義偉総務相が拉致問題を重点的に取り上げるよう命令を出し、与党からも「表現の自由を侵す恐れがある」などと異論が出た。1日施行された改正放送法は総務相の権限を「命令」から「要請」へ弱めた。

 しかし、訴状などでは、改正法が要請に応じる努力義務を定めていることや、総務省が放送事業者の監督官庁であることから「努力義務は実質的な強制で、総務相の要請は違憲」と主張。NHKに対しても、受信契約者には権力に介入されない放送を聞く権利があるとして「要請を受けたことは不法行為にあたる」と指摘している。

 総務省国際放送推進室とNHKはともに「訴状を確認していないのでコメントは差し控えたい」としている。【北川仁士】

毎日新聞 2008年4月23日 大阪夕刊

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