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【社会】

4ダム建設は不適切と意見書 三重・川上、滋賀・大戸川など

2008年4月23日 朝刊

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 国土交通省近畿地方整備局の諮問機関・淀川水系流域委員会(宮本博司委員長)は22日、同整備局が計画する淀川水系の4つのダムについて、「整備局の説明が納得できる内容でなく、環境への検討も不十分」として、このままでの建設は不適切とする意見書をまとめた。

 ただ、意見書に法的な拘束力はない。同委は、4つのダム建設が盛り込まれた河川整備計画原案の再提出を求めたが、整備局は応じない姿勢を示した。

 4つのダムは大戸川(大津市)、丹生(滋賀県余呉町)、川上(三重県伊賀市)のダム建設と、天ケ瀬ダム(京都府宇治市)の再開発。

 意見書では、整備局が昨年8月に示した河川整備計画原案に、環境や治水・利水、洪水対策などから言及。例えば大戸川、川上両ダムの場合、洪水などの際に基準水位以下に抑えられる効果は「限定的」とした。その上でダムは堤防強化などと組み合わせ、事業費も含めた「総合的検討が不可欠」とし、「現時点で建設の実施を計画に位置付けるのは適切でない」と結論づけた。

 宮本委員長は「琵琶湖・淀川水系の再生と住民の命を第一に考えると、原案では納得できないと判断した」とコメント。これに対し、整備局の谷本光司河川部長は「原案は議論のたたき台で、再提出する性格のものでない」と話した。

 淀川水系の河川整備をめぐっては、整備局が2005年7月に大戸川、余野川(大阪府箕面市)の両ダム計画の凍結を発表。しかし、昨年の計画原案で大戸川ダム整備を復活させた。

 

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