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【光市母子殺害判決の要旨(9)完】「極刑はやむを得ないというほかない」 (2/5ページ)

2008.4.22 21:04
このニュースのトピックス光市の母子殺害事件
光市母子殺害事件の差し戻し控訴審判決公判に臨む被告の元少年(中央)と本村洋さん(右)(イラスト・田村角)光市母子殺害事件の差し戻し控訴審判決公判に臨む被告の元少年(中央)と本村洋さん(右)(イラスト・田村角)

 しかし、「少年の責任能力」という一般の責任能力とは別の概念を前提とする弁護人の主張は、独自の見解に基づくものであって採用し難い。また、少年の刑事責任を判断する際に、その精神的成熟度および可塑性について十分考慮すべきではあるものの、少年法51条は死刑適用の可否につき18歳未満か以上かという形式的基準を設けるほか、精神的成熟度および可塑性といった要件を求めていないことに徴すれば、年長少年について、精神的成熟度が不十分で可塑性が認められる場合に、死刑の選択を回避すべきであるなどという弁護人の主張には賛同し難い。

 たしかに、被告人の人格や精神の未熟が本件各犯行の背景にあることは否定し難い。しかし、各犯行の罪質、動機、態様にかんがみると、これらの点は量刑上考慮すべき事情ではあるものの、死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情であるとまではいえない。

 (オ)被告人が上告審での公判期日指定後、遺族に対し謝罪文を送付したほか、窃盗の被害弁償金6300円を送付し、当審においても、遺族に対し被害弁償金として作業報奨金900円を送付した。平成16年2月以降は自ら希望して教戒師による教戒を受けている。また、被告人は当審公判において、これまでの反省が不十分であったことを認める供述をし、遺族の意見陳述を聞いた後、大変申し訳ない気持ちで一杯であり、生涯をかけ償いたい旨涙ながらに述べている。

 (カ)第1審判決は酌量すべき事情として、被告人の犯罪的傾向が顕著であるとはいえないことを摘示している。たしかに被告人には、前科や見るベき非行歴は認められない。しかし、本件各犯行の態様、犯行後の行動などに照らすと、その犯罪的傾向には軽視できないものがある。

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光市母子殺害事件の差し戻し控訴審判決公判に臨む被告の元少年(中央)と本村洋さん(右)(イラスト・田村角)
「光市母子殺害事件 差し戻し控訴審判決」 広島高裁に出廷する、本村洋さん =22日午前9時40分、広島市中区の広島高裁 (撮影:門井聡)
光市母子殺害事件の差し戻し控訴審判決公判の広島高裁法廷=22日午前9時55分(代表撮影)
死刑判決を受け、記者会見する安田好弘主任弁護人(左)ら=22日午後2時34分、広島市中区の広島弁護士会館

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