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スタート地点は「国宝」から「空き地」へ―。長野市で26日に行われる北京五輪聖火リレーについて、市実行委員会は21日、出発式会場を辞退した善光寺に代わり、県の勤労者福祉センター跡地を新たなスタート地点とすることを発表した。聖火リレーをめぐる混乱で、世界各地でコースの大幅短縮を余儀なくされている中、今回のスタート地変更で、長野のコースは当初の予定より233メートル長くなる異例の事態となった。
善光寺の突然の辞退を受け、本番5日前に決定したスタート地点は何の変哲もない「空き地」だった。
新たに出発式が行われることになった県勤労者福祉センター跡地は、善光寺から南西へ約850メートルにある。周囲は長野合同庁舎や長野地裁などの官庁街で、一般市民の人通りは少ない。敷地の約半分は駐車場で残り半分は未舗装のままの更地となっている。北京五輪の聖火リレーでは各都市とも出発地に街のシンボル的な場所を用意。長野の「空き地」は異例のさびしいスタート地となる。出発式典は駐車場部分で行われる予定だが、所要時間は当初の30分間から15分間に短縮されるという。
コースの変更はスタートから第3走者までの3区間。変更によって善光寺が辞退した3区間(約550メートル)より、233メートル距離が長くなった。
これに伴い、リレーコースは当初予定の1万8478メートルから1万8711メートルへと延長されることに。世界各地でコースの大幅短縮が相次ぐ中、皮肉にも異例のコース延長となった。4人目以降のルートに変更はなく、80人のランナーが200~300メートルずつ走る。現時点で、公募の一般市民ランナーを含めて辞退者はいないという。
聖火リレー実行委事務局は、代替地としてセンター跡地を選んだ選定理由として、〈1〉リレールート変更を最小限に抑えることができる〈2〉市有地のため、出発式典運営の準備を進めやすい〈3〉式典開催のための十分な広さがある、ことを挙げた。
一方、青いユニホームで聖火リレーに伴走する北京五輪組織委員会(BOCOG)の「聖火防衛隊」について、同事務局は「当初から警備は長野市と長野県警で行えと言われている」と説明。防衛隊による警備の要請を実行委が拒否しているとの一部報道を「そもそも要請すらきていない」と否定した。
リレー走者にはトーチの火を管理する「フレームアテンダント」の中国人2人が伴走するが「警備の権限もないし、法執行権もない」(実行委)という。
リレー当日は青いユニホームを着たBOCOG職員が約160人来日するとされているが「紛らわしいので長野のスタッフは白いユニホームを着ることになると思う」(同)と色で識別できるような工夫も考えているという。
(2008年4月22日06時01分 スポーツ報知)