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女性医師つなぎ止めろ 産婦人科 出産、子育て…離職 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:病気・医療
海野教授によると「計算上は毎年約180人の産婦人科医が減っている」という。このため、男性医師のなり手を増やし、いびつな構造を解消する必要性があると指摘する。シンポジウムでは、ある大学教員が「男子学生から『(男性が)産婦人科に入局してもよいのか』と尋ねられ、(誤った先入観に)ショックを受けた」と明かし、学生や研修医らの意識改革が必要と訴えた。
ただ、産婦人科の患者である女性は女性特有の症状や悩みを抱えている。横浜市の専業主婦(38)は「まだ病気と決まったわけではないときに、病院で男性医師から検査を受けるのは恥ずかしい」と話す。乳がんを減らすピンクリボン運動を続けるNPO法人「J・POSH」の松田寿美子事務局長も「気持ちを分かってもらえる女性医師に診てもらいたいのが女性の患者心理」と代弁する。
女性特有の疾患などを女性医師が診察する「女性外来」や「レディースクリニック」が広まっていることからも、男性の産婦人科医を単に増やせばいいという問題でもないのが実情だ。
岡山大学の関典子助教は「女性の産婦人科医が働きやすい職場作りが急務。院内保育所の充実をはじめ、定時帰宅制の導入、当直も子育て中の女性医師に配慮したものにすることが必要」と訴えている。