■「行方不明になっても、責任は問いません」
東京都江戸川区の無職、石田佳奈子さん(19)が行方不明になっている事件で、塩野直樹容疑者(26)の車の中から「行方不明になっても、責任は問いません」と、複数の女性が書いた大量の誓約書が見つかっていたことが17日、分かった。また、塩野容疑者は隠語を使い、出会い系サイトの掲示板で覚醒(かくせい)剤を一緒に打つ女性を募っていたことも判明。警視庁捜査1課は、塩野容疑者が薬物に興味を持つ女性を誘い出し、連れ回しを繰り返していた可能性もあるとみており、誓約書を書いた女性の所在確認を進めている。
調べでは、塩野容疑者は掲示板に「一緒に冷たいのを決めない」などと書き込んで女性を誘っていた。関係者によると、薬物に知識のある人なら、この文章が“覚醒剤を打つこと”だとすぐに理解できるという。自室から大麻が見つかるなど、石田さんは薬物に興味を持っており、隠語を理解して、誘いに乗ったとみられる。
一方、塩野容疑者の車の中からは、複数の女性が覚醒剤を打つことや、行方不明になっても責任を問わないことなどを自筆した大量の誓約書が見つかった。同時に、複数の女性名義のクレジットカードも発見されたという。
こうしたことから、捜査1課は塩野容疑者が石田さんのケースと同様の手口で女性を誘い出し、覚醒剤を打って前後不覚にさせることを何度も繰り返していたとみている。
また、塩野容疑者は定職に就いていないにもかかわらず、末端価格で10万円相当の覚醒剤約1・8グラムを所持。知人らに「ブローカー」と称していることから、捜査1課は誘い出した女性らを“利用して”現金を稼ぐなど、背後に大がかりな組織が関与している可能性も視野に、慎重な調べを進めている。
これまでに、塩野容疑者は「(山梨県の)峠で休憩していたら急に暴れ出して車外に出ていき、捜したが見つからなかった」などと供述。上申書に添付した手書きの地図で示した山林付近から、石田さんのブーツやバッグなどが見つかった。
ただ、ブーツには泥がついていないなど、歩いた形跡はなかった。捜査1課は、塩野容疑者がブーツなどをがけから山林内に投げ落としたが、石田さんは所持品が見つかった場所とは別の所にいる可能性もあるとして、所在の確認を急いでいる。
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