現在位置:asahi.com>暮らし>暮らし一般> 記事

企業健保、高齢者医療費4300億円負担増 新制度響く

2008年04月22日03時01分

 高齢者の医療費を賄うために大企業の健康保険組合が負担する拠出金が、08年度は前年度よりも4300億円増え、約2兆7千億円に達することが明らかになった。健康保険組合連合会(健保連)によると、負担増に対応するため141の組合が保険料率を引き上げた。

図

  

 厚生労働省によると、4300億円のうち2500億円は高齢者らの医療費の自然増によるもの。残り1800億円は4月からの医療制度改正で65〜74歳の医療費の負担分が増えたためだ。

 従来は、75歳以上の医療費は老人保健制度で支え、74歳以下は元会社員の分に限り、「退職者医療制度」として、健保組合や政府管掌健康保険(政管健保)が賄ってきた。

 新制度では、健保組合や政管健保は75歳以上が対象の「後期高齢者医療制度」に支援金を出し、65歳から74歳の「前期高齢者」には、元会社員に加え、国民健康保険で医療費を負担していた自営業者や家族などの医療費も支えることになった。前期高齢者の8割が加入する国保の負担を軽減するためだ。

 75歳以上を支える拠出金は前年度とほぼ同じ1.2兆円。退職者と65〜74歳の分を支える拠出金は1.1兆円から1.5兆円に増えた。

 また、健保連は21日、健康保険組合の今年度予算の収支見通しを公表した。1502組合を対象に調べ、1285組合が回答。拠出金の急増などで約9割の1141組合が赤字の見通し。全体の赤字総額は前年度2400億円から6300億円に増えるという。今後、財政の悪化で解散し、政管健保へと移行する組合も出てきそうだという。

PR情報

このページのトップに戻る