厚生労働省はこのほど、75歳以上の高齢者を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の“メリット”を解説した「長寿医療制度でここがよくなる!!」と題する4ページの資料を作成し、各都道府県の担当者に送付した。資料では、「ご安心ください。今までと同じ医療を受けることができます」と繰り返し強調し、医療関係者の連携によるきめ細かな訪問診療や、退院前後のサポートの充実などをアピールしている。
【関連記事】
長寿医療のチラシを緊急作成
「長寿医療制度」のQ&Aを公表
フリーアクセスの制限と「尊厳死」
資料では、在宅、入院、外来の各医療などに分けてポイントを解説。在宅医療については、「住み慣れた自宅で自分らしい生活を送りたい人には、多様できめ細かな訪問診療を提供します」と説明している。しかし、急に病状が悪化した場合には、「あなたの病状をよく分かっている病院」に入院できるとしている。
入院医療については、「安心して退院できるように、退院前後の医療・福祉のサポートが充実する」とした。今年度の診療報酬改定では、長期入院している高齢者を自宅に戻すことを評価する「後期高齢者退院調整加算」が新設されたが、「医療が必要な高齢者を追い出す」との批判もある。資料では、こうした批判に直接答えず、「医療・福祉のサポート」という表現で理解を求めている。
外来医療では、後期高齢者の主治医(高齢者担当医)の役割を赤い文字で強調。「希望すれば、こうした医療の流れ(在宅医療、緊急入院、退院調整)をあなたの選んだ担当医が継続して支えてくれます」とした。
今年度の診療報酬改定で、厚労省は高齢者への重複投薬や重複検査などが医療費を圧迫しているとして、高齢者の受診を総合的に管理する主治医が受け取る「後期高齢者診療料」を創設したが、「自由な受診(フリーアクセス)を抑制する」との批判が絶えない。
高齢者担当医制度について、資料ではQ&А方式で解説。「医療が制限されることはなく、必要な医療はこれまで通り受けられます」「病状に合わせて、いつでも好きな病院に行くことができます」「患者さんの希望で、いつでも担当医を変更できます」などと回答している。
更新:2008/04/22 19:02 キャリアブレイン
医療ニュースデイリーアクセスランキング
※集計:4/22
医療ニュースアクセスランキング
※集計:4/17〜4/22
医療ニュース動画
08/01/25配信
高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子
医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。