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課徴金、利益の半分 インサイダーのNHK職員
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NHK記者ら3人による株のインサイダー取引疑惑で、証券取引等監視委員会は課徴金処分を金融庁に勧告する方向で調査を進めている。NHKによると、3人は計約106万円の利益を上げていたが、現行制度では、課徴金額は利益の半分程度にとどまる見通しだ。
インサイダー取引に対する課徴金は利益額そのものではなく、実際の購入価格と重要情報が公表された翌日の終値との差額から算出する。
3人は昨年3月8日午後、回転ずしチェーン「カッパ・クリエイト」が大手外食産業「ゼンショー」の傘下に入るとの特ダネ原稿を放送前に読み、1株1705〜1720円程度で、1000〜3150円のカッパ社株を購入した。
8日の証券市場が閉まった後にゼンショーがカッパ社のグループ化を発表。9日の取引開始時は1890円まで上昇し、その後は値を下げ、1774円で取引を終えた。
3人とも9日の早い段階で売り抜け、9万8000〜51万4900円の利益を得ていたが、課徴金は9日の終値を基準とするため5万〜20万円程度となる。
現行の方法では「抑止力がない」との批判も根強く、金融庁は課徴金を2倍程度にするよう金融商品取引法改正案作業を進め、通常国会への提出を目指している。