福岡放送局

2008年4月22日 18時48分更新

殺害手助け 元家庭教師無罪

福岡の繁華街、中洲でスナックを経営していた女が夫だった男性2人を保険金目的で殺害したとされる事件の裁判で、1件の殺人を手助けしたとして1審で実刑判決を受けた男性に対し、福岡高等裁判所は「犯行に使われた手袋を処分するなどしたが、犯行の前から協力しようと考えていたとは認められない」などとして、無罪を言い渡しました。

この事件は、福岡市の中洲でスナックを経営していた高橋裕子被告(52)が、平成6年と12年に夫だった男性2人を保険金目的で殺害したとされるものです。
高橋被告の子どもの家庭教師だった井手健一被告(37)は、1人目の男性の殺害にかかわったとして殺人の罪に問われました。
裁判で、井手元家庭教師は一貫して無罪を主張しましたが、1審は殺害には直接関与していないものの、「犯行に使われた手袋を処分するなど事後処理に協力した」として、殺人を手助けした罪にあたると判断し懲役3年6か月の実刑判決を言い渡し、元家庭教師側が控訴していました。
22日の判決で、福岡高等裁判所の陶山博生裁判長は「井手元家庭教師は高橋被告に頼まれて手袋を処分したり、男性の死亡を確認したりしている。しかし、犯行の前から事後処理に協力しようと考えていたとは認められない」と指摘し殺人を手助けした罪は成立しないと判断し、1審を取り消して無罪を言い渡しました。
この事件で高橋被告は1審で無期懲役の判決を受け控訴しています。