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ラサで新たな大規模抗議デモ 外交団の訪問ねらい?   

2008.3.30 18:54
このニュースのトピックスチベット
26日、カトマンズで、チベット人迫害の中止を訴えてデモ行進するチベット人僧侶(共同)26日、カトマンズで、チベット人迫害の中止を訴えてデモ行進するチベット人僧侶(共同)

 【北京=野口東秀】インドに拠点を置くチベット亡命政府は、チベット自治区ラサ中心部で29日午後、大規模な抗議デモがあったと発表した。米政府系放送局「ラジオ自由アジア」も数百人規模のデモ発生を報じた。14日の騒乱が鎮圧されて以来、ラサでの大規模デモは初めて。

 亡命政府の声明によると、デモはラサ中心部にあるラモチェ寺前のほか、ジョカン寺(大昭寺)前などでも行われ、チベット人数千人がデモを開始。治安部隊が主要な寺院を包囲、封鎖したほか、戦車や装甲車両などを投入しデモは中止させられたという。一方、「ラジオ自由アジア」は、「大規模な抗議行動が起き、みんな叫んでいる」「殴り合いが起きた」とする目撃者らの証言を伝えた。亡命政府の報道官は「(中国政府の手配でチベット入りしていた)北京の各国外交団の訪問に合わせて行われたと考えている」と述べた。

 外交団は、ジョカン寺の視察を希望し実現したが、時間は29日午前8時ごろ。デモがあったとされるのは同日午後2時ごろで、視察に参加した日本大使館の和田充広公使は直接、目撃していない。和田公使は北京に戻った29日夜の会見で、チベット自治区のシャンパプンツォク主席が当局の取り締まりについて「公の場で国家分裂や独立を叫ぶこと自体、違法となる」と述べ、平和的なデモも法的処罰の対象になるとの見解を明示したと指摘した。外交団は自治区各界の代表者との座談会にも出席したが、中国政府の見解に反するような回答はなく、「欧州の外交官は(今回の視察によって)全体像が把握できたとは受け止めていないようだ」と述べた。

 一方、国営新華社通信によると、騒乱が発生していた四川省アバ県の当局者は29日、同県内のチベット仏教寺院から銃30丁と498発の銃弾、4キロの爆発物、ナイフ、「独立」と書かれた横断幕などを押収したことを明らかにした。アバ県では「僧侶100人以上が連行された」とチベット支援団体が指摘しており、当局側の説明は捜索の正当性を主張する狙いがあるとみられる。

 

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26日、カトマンズで、チベット人迫害の中止を訴えてデモ行進するチベット人僧侶(共同)
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