(2007年12月31日更新)

1・波動銘柄リストとは?

出来高を伴って株価が上昇を開始した初動銘柄や、すでに相場形成がなされている銘柄で翌営業日も上値追い急伸が予想されるとき、また、大きな下落から反発上昇が予想される銘柄や、さらに突っ込み急落が予想される銘柄等、買い建てや売り建て(空売り)に適した今後のヴォラティリティが期待できる銘柄をテクニカル分析に基づいて集約をしたリスト(web表示形式)です。今まさに「市場の人気株」として「動きのある銘柄」が対象となりますので騰がるなら買い建て、下がるなら売り建てで、値幅妙味のあるトレードの実現に役立つリストとなっています。

株価に騰落の動意があればリストに集約されて夜間に更新を行い「翌営業日のトレード対象」としてご自身の株価監視ボードに入力してお使い頂けますので、監視対象銘柄の絞り込みに迷っているトレーダーのにはお役に立てるでしょう。もちろん株価予想に百発百中などは有り得ないことですが「市場の人気株」を集約していますので翌営業日も買い建て、売り建てに適した銘柄は高い確率で含まれています。

なおリスト作成にあたり人為的、意図的な銘柄の集約作業は行いません。「独自開発のテクニカル分析ソフトウエアによる銘柄抽出」に基づいて客観的な集約と作成が行われます。騰落だけならただ単に証券会社等が提供しているランキングを見ればよいと思われがちですが「ランキングでは見えない波動」がこのリストには集約されています。

例えば「前日終値500円」の銘柄が翌日に500円で寄りついて「安値460円まで下落してから510円まで戻して引けた」としましょう。この銘柄の場合、「前日比は+10円」ということになり、値上がり上昇ランキングではかなり下位にしか出てこないでしょう。しかしそこには「安値460円から50円の値幅」が上昇波動という形で存在します。こういうケースでは翌日も上昇波動を維持してさらに上値追いするケースもあります。これこそが単にランキングだけを観ていては見えてこない「波動」というものです。

また当倶楽部専用のソフトウエアによる銘柄抽出ですから株価動意の背景にあるスペキュレーション(仕手性)は加味されませんので「極めて客観的に絞り込まれたリスト」となっています。

もうお気付きとは思いますが、波動銘柄リストによる買い参戦は「スィングトレードの片割れ」にして「順張り専用」なのです。前日の引け前に仕込んだのはいいが、翌日にサッパリ弱含みの寄り付きだった、という経験はありませんか?そのリスクを軽減して(翌日弱ければ買わない)「強い銘柄だけに乗る」ためのリストなのです。


2・波動とは?

ここでいう波動には「上昇波動」「下落波動」があり、その言葉の通り強い株価上昇と強い株価下落が「ヴォラティリティ(値幅妙味)」の形で見込めるものとして採り上げ、紹介します。

通常、株価が大きく変動する場合は次の各種要因によるものであり、その要因には「好悪材料の発表」「仕手筋の介入」その他「経済情勢の変化」などのがあります。そして株価はそれら変動要因が株式市場参加者の総意に基づく「需給のバランス」という形になって決定されます。(株価は人気投票のようなもので決まると考えるべき)

その場合、株価変動に際して「別の需要」が発生し、テクニカル分析に基づく株価の許容変化量に比してさらに異常に迅速にして偏移量の大きい株価上昇や下落を「出来高を伴って」引き起こすことがあります。

その別の需要とは「売り方の買い戻し(踏み上げ)」「先高期待に対する追随買い」で株価は急加速的に上昇することがあり、また逆に「買い方の諦め投げ売り」「続落不安による我先売り」で株価は一気に急落することもあります。ここでいう「波動」とはそれら株価形成の直接的な要因と副次的に発生する「別の需要」による総括的な株価動向(動き始めた電車は重たいために急には止まれないのと同じ)の総称であり、大きな出来高を伴わない株価の動向は含みません。


3・波動ランク(波動係数)とは?

波動銘柄リストには右端に「波動係数」の記載があり、トレード対象の目安となります。これは営業当日の株価推移動向を専用ソフトウエアで分析を行い、様々な指標に基づいて自動的にランキング分けをするものです。この「波動ランク」「0.0」から「5.0」までランク分けされています。大別すると「3.4」〜「5.0」は株価上昇中で市場の人気株であり天井が近い場合もありますが前記「別の需要」によってさらに急速な上昇が起こる場合もあります。

また「2.2」以下のランクは初動銘柄が含まれる場合が多く、そこから相場が育ち、数日掛けて大きな値幅を得ることもあるので中長期投資銘柄をピックアップするのにも適しています。


4・波動銘柄リストの使い方

リストの使い方は極論すると前記の「波動係数」を読み、その数値の高い銘柄を買い狙えばよいと言えます。「3.4」以上、特に「4.0」以上のランク銘柄は前日に相当な上昇パワーを含んで株価が騰がったものであり、翌営業日がいわゆる「普通程度の地合い」であれば問題なく前日の波動を引き継いで株価は続騰する確率が極めて高い銘柄となります。その場合、翌営業日の寄り付きが重要であり、買い気配スタートの場合は数ティック上程度であれば問題なく寄り付き買い対応でその後の株価上昇と含み益増加の可能性は高いでしょう。しかし、あまりにも高い気配で寄り付く場合、これは株トレードの常識として寄り付き天井を警戒して「見送り・様子見」が賢明でもあります。

また逆に安い寄り付きの場合にも注意が必要となります。通常、株は安く買って高く売ることが理想ですが、そもそも波動ランクが高い銘柄が翌営業日に安く寄ること自体がすでにおかしい、一晩で需給が悪化と考えるべきです。

波動ランクの高い銘柄は「市場の人気株」であることは間違いありませんが、その市場の人気株が安く寄るようでは一晩にして人気が離散していることになりますので、人気が失せた銘柄の「残務整理相場」に買いで乗るべきではないという考え方が重要です。乗る場合は下落を待って底打ち反転が確認できたら買い出動ですが、よほどの急落でない限り、値幅妙味はすでに薄い場合が多いでしょう。

理想的な買い方は「3.3」以上ランク銘柄の翌営業日の「同値寄りか、数ティック以内の高寄りの買い」でしょう。「市場の人気株」は適切な日中押し目以外では安く買うべきではなく「高く買ってさらに高く売る」ことが時間消費(機会損失)の観点から理想的な短期ト(デイ)レードと言えるでしょう。

またランクの低い「2.2」以下の銘柄には初動に近い銘柄が含まれている場合もあり、大引け後に波動ランクが「3.3」以上に成長することもあるのでランクの変遷にも注意してみて下さい。


5・まとめ(効率的な波動銘柄リスト利用のための箇条書き)

 ・波動係数の高い銘柄は高く買ってさらに高く売ることを目指す(格言:恐くて買えない株ほどよく騰がる)
 ・波動係数の高い銘柄が安く寄る場合は人気が離散しているので買いは見送りが賢明
 ・波動係数の低い銘柄には初動銘柄を含む場合があり、そこから上げ足を強めることがあるので中期投資向き
 ・波動係数の低い銘柄が急にランクを上げてきた場合は大相場に発展することが多い
 ・翌営業日の地合いの変化によってはいきなり需給が逆転することもあり、乗らない(買わない)勇気の重要


以上