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福井県南部、若狭湾に面した小浜市で、若狭塗り箸(ばし)職人の父と、大らかで家族思いの母のもとで育つ。好きなモノにはとことんのめり込むが、肝心な時につい物事を悪い方へ考えてしまい、結局はうまくいかない損なタイプ。主役を目指したはずの学校祭でも、主役に光を当てる照明係を引き受けていたりする。そんなコンプレックスの塊のような“脇役人生“を変えるべく、高校卒業後、突然大阪行きを決意する。大阪ではひょんなことから出会った落語に魅せられ、厳しい徒弟制度にもまれながら日本一の女流噺家(はなしか)を目指していく。
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喜代美の母。福井県北部出身。悲観的な喜代美とは対照的に、大らかで人懐こく、あらゆることを「なんとかなる」で片付けてしまう楽観主義者。専業主婦で「家族の一大事」が自分の一大事。いつも自分を二の次に、夫や子供たちのことで右往左往している。特に一番不器用な喜代美を心配し、世話を焼くが、喜代美からすると「うっとうしく」感じることも。五木ひろしの大ファンで、十八番は「ふるさと」。
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喜代美の父。小浜の高校を卒業後、父の正太郎のもとで塗り箸職人の修業をしていたが、訳あって家を出てしまう。10年ぶりに箸職人を引き継ごうと家族で小浜に帰るも、意地を張って正太郎と対立してしまう。口数が少なめで人当たりは良くないが、まじめで周囲からの信頼は厚い。見栄っ張りで他人に謝るのが苦手なのが弱点。喜代美が落語家に入門すると言い出したときには、猛反対する。
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喜代美の祖母。地元では名の知れた元芸者。最近まで現役としてお座敷に出ていた。物事の白黒をつけないと気のすまない性質で、正義感が強い。三味線の名手でもあり、時に和田家のムードメーカーとなる。勝手に独立して箸工場を立ち上げた元弟子・秀臣へのわだかまりを払拭できずにいる。
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喜代美の祖父。小浜でも数少ない若狭塗箸の名職人。その技は高い評価を得ているが、伝統を守るためには極めて頑固な一面を持つ。修業中の身でありながら家を飛び出した正典を、いまだ許せずにいる。めったに笑わないが、孫には優しい。落語好きで、喜代美が落語に触れるきっかけを与えることに。
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喜代美の叔父。正典の弟だが、兄と違っていまだ独身で定職を持たない。一獲千金を夢見てもうけ話にすぐ飛びつくが、いつも失敗に終わる典型的なヤマ師。周囲の心配をよそに本人はいたってマイペース。数々の騒動を喜代美たち家族にもたらすことになる。
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喜代美の弟。合理主義者で堅実で倹約家。自分の人生を10年先まで設計する先見性の持ち主で、時に大人をやや下に見る傾向がある。喜代美にとっては頼れる弟である。恐竜好きが高じて、後に福井の博物館の学芸員になる。
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小浜の大手箸工場の社長。かつては箸職人を目指して正太郎のもとに弟子入りしたが、手作業での箸作りに限界を感じて独立。一代で大手箸工場を作り上げた。現在の小浜箸産業の立役者。伝統を捨てた存在として、正太郎や小梅たちとはいまだに、微妙な関係である。
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大手箸工場の社長令嬢。喜代美と同姓同名で、同い年。名前は一緒だが、才色兼備で運動能力や音楽センスなどありとあらゆる面で喜代美より優れている。性格も優しく誰にでも好かれるが、喜代美が自分に劣等感を感じていることには気づかず、大親友だと思っている。
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清海の兄で、若狭塗箸製作所の跡取り息子。将来の社長気取りで態度が大きく、常に自分に都合よく物事を解釈する。小学校のころから喜代美にほれていて、いずれ結婚すると勝手に決め込んでいる。喜代美の卒業を機に、結婚を申し込むが……。
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