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【地球発熱】

コアラもピンチ CO2増でユーカリ“まずく”

2008年4月22日

 【シドニー=共同】オーストラリアのジェームズ・クック大学などの研究者らがこのほど、主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)が空気中に増えると、コアラが主食とするユーカリの葉に含まれる栄養分が減少し、コアラの生存が脅かされかねないとの研究結果を明らかにした。

 同大のイバン・ローラー上級講師によると、空気中のCO2濃度を変えて育てたユーカリの葉の成分を分析。それぞれの条件で育てた葉を虫に食べさせ、成長の違いなども比較した。

 この結果、CO2が増えると、ユーカリの葉に含まれコアラに最も必要なタンパク質の量が大幅に減少することが確かめられた。

 講師によると、コアラは一般的に1日当たり約700グラムのユーカリの葉を必要とするが、葉の栄養分が減少すれば、その分多くのユーカリを食べなくてはならなくなる。

 将来、CO2がさらに増加すれば、ユーカリの葉は栄養分のない、食用に適さないものとなり、コアラ激減という深刻な事態にもつながるという。

 

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