現在位置:asahi.com>社会>その他・話題> 記事

学校図書館の図書購入費、2割強44億円が別の用途に

2008年04月21日21時01分

 公立小中学校の図書館の図書購入費として国が07年度、各自治体に財政措置した約200億円のうち、2割強の約44億円が他の目的に使われたとみられることが21日、文部科学省の初の調査でわかった。一般財源として一くくりで受け取るため目的外に使っても罰則はないが、文科省は「本は、調べ学習や、こころの教育にもつながる。本来の目的に使って欲しい」と、近くホームページで各自治体の予算措置率を公表し、取り組みを促す。

 約200億円のうち、各自治体が図書購入費として予算計上した額は約156億円で78%にとどまった。実際の計上額を国から受け取った額で割った「予算措置率」を都道府県ごとにみると、別の財源を加えて買っている場合もあり、(1)山梨139%(2)東京135%(3)愛知114%がベスト3。ワースト3は(1)青森38%(2)北海道43%(3)島根47%だった。

 国は07年度に「新学校図書館図書整備5カ年計画」を始め、予算を06年度の約131億円から約200億円に増やした。06年度の各自治体の図書購入費は約158億円と07年度の156億円とほぼ同じで、増額分が図書購入以外に使われたことになる。

 100%に達しない理由を尋ねたところ、小学校を設置している市区町村では、5.8%が「すでに目標を達成した」、2.9%が「校舎建築など施設整備に使った」などと回答した。「財政状況全般が厳しく、図書費の増額につながらない」といった答えもあった。

 予算措置率が0%だったのは、北海道中富良野町、青森県平内町、長野県北相木村の3自治体。このうち、平内町教委は朝日新聞の取材に、「一般消耗品や教材備品の項目で購入している」と説明している。(大西史晃)

PR情報

このページのトップに戻る