Print this Post Article Lists Back

チベット暴動:「カルフール不買運動は誤り」

スポーツ選手が訴え

 チベット暴動を中国が武力鎮圧したことに対する諸外国の非難に対し、中国で民衆の不満が高まる中、「反西側愛国運動」のきっかけとなった身障者女性フェンシング選手、金晶さん(28)は、フランス系流通大手カルフールに対する不買運動に反対する姿勢を示した。

 9歳のときに骨髄がんでひざより下を切断した金さんは、今月7日にパリで行われた聖火リレーでチベットの独立要求デモ隊の襲撃を受けたが、トーチを守り抜いた。金さんは当時、「死んでも聖火を守らなければならないという思いだけだった」と語り、中国の民衆による「愛国運動」を巻き起こした。

 しかし、金さんは21日付夕刊紙、新民晩報とのインタビューで、「カルフールによる輸入が減れば、そこで働く中国の労働者の月給も減る。同胞に被害が及ぶやり方は避けなければならない」と訴えた。

 中国に112店舗を持つカルフールには、中国人4万人余りが雇用されている上、販売されている商品の大部分は中国産だ。

 北京青年報も最近、「中国がフランス企業を排斥すれば、中国企業も欧州で排斥される」と指摘。また、21日付新京報は「デモで大連店が2日間臨時休業するなど、カルフールの売り上げが減少している」と報じた。

 こうした中、仏政府も火消しに回った。中国の新華社通信によると、サルコジ仏大統領は21日、中国を訪問したポンスレ上院議長を通じ、金さんに慰労の手紙を送った。AFP通信によると、ラファラン元首相とレビテ大統領外交顧問は今週中に訪中し、温家宝首相にサルコジ大統領のメッセージを伝えるという。

 一方、AP通信によると、ネパール政府は中国がハイライトと位置づけるエベレストでの聖火リレーで反中デモが起きるのを防ぐため、山岳訓練を受けた武装警察25人を配置した。武装警察には発砲権が認められているという。

 エベレストは中国のチベット自治区とネパールの国境に位置しており、中国側の登山隊は5月1日から10日かけ、エベレストでの聖火リレーに挑戦する。ネパール政府は聖火リレーの期間中、第2キャンプ(海抜6400-6600メートル)以上の登山を全面禁止した。

北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員

全炳根(チョン・ビョングン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
このページのトップに戻る