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2007/11/18
12日書き込んだ 野火迅 著「使ってみたい武士の日本語」ですが、読むほどに事実と相違する点が目立つので 再度指摘してみました。野火さん悪しからず…。
先ず第五章の125ページ=「股立ちを取る」 の解説の中で、…股立ちを取るだけでなく たすきか、刀の下げ緒で直垂の袖を絞っておくのが、武士の常套。…とある。
コレを読むと 野火さんは、直垂なるものをよくご存知ないらしい。
直垂は侍従以上の上級武士が元日などに着る礼服で 無位無官の一般の武士が着る服ではなかった。しかも たすき または 下げ緒で直垂の袖を絞るとは、ナンセンス以外の何物でもない。一本の下げ緒で両の袖を絞るとでも言うのですか?(苦笑)
わざわざ、たすきや下げ緒で括らなくても、直垂の両袖には露と言う括り紐が付いているのです。
現在、直垂は相撲の行司装束として残っていますが、アレを見ると両袖だけでなく袴の裾にも括り紐が付いていて、幕下以下の行司は 袴を膝下で括る決まりになっています。
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次に、132ページ=「抜き打ち」 の説明で、…椿三十郎がふるった技を「居合と思い込んでいる人が多いようなので、ぜひ説明して置きたい。居合は、三尺二寸以上の長刀(普通の大刀は、二尺五寸前後)を用いて、その“リーチ”を利した間合いからきりつける。」…
と、まるで長刀を用いるのが居合である。と言わんばかりの説明で、コレでは読者にウソの知識を与えることになる。
確かに居合道の始祖「林崎重信(神夢想林崎流)」は一尺五寸もある長い柄の刀を用いたといわれるが、長いのは柄だけで、刀身の長さは普通であった。
田宮流でも三尺三寸を基本としているが これは柄を含めた長さで、野火さんが但し書きでいう(普通の大刀は、二尺五寸前後)の刃渡りとは採寸の範囲が違うのである。
腰に差した状態で、刃渡り三尺二寸以上もある長刀を抜けますか。普通の身長のひとには絶対無理でしょう。居合道では、自分の身長から九十センチを引いた長さが適寸と言われています。
SERIE-TAN の場合 161p−90cm=71cm(2尺3寸強)となりますが、実際にはSERIE-TAN は2尺2寸の長さの刀を用いています。短いほど操刀に迅速性がでる。
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長刀を用いる事が居合と関係ないとすると、一体居合とはナンだろうと疑問が湧きますね。「詳解 田宮流居合」では、「居合とは 抜刀・納刀・斬撃・防御などの技を居座りのまま行う術てある」と述べています。
要するに抜き放った刀を 防御本能のままに 無茶苦茶に振り回すのではなく 身を護りつつ敵を倒すための 無駄のない操刀を、合理的に追求した刀法とでも言うべきでしょうね。
居合をば知った振りしてつかかるな 居合の道を深く問うべし
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