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2007/11/12
侍言葉は、味わい深い日本語の宝庫。
忘れてしまっては もったいない品格ある
日本語の数々を身に付ける!
(野火迅 著「使ってみたい武士の日本語」の腰巻より引用)
「使ってみたい武士の日本語」野火迅 著 草思社 刊 と言う本を見つけました。ちょっと面白そうなので買って読みましたが、事実と相違する点が幾つかあるのでそれを指摘してみました。著者の野火さんの目に届くことを祈って…。
(122ページ)鯉口を切る…「刀の鍔を押して 抜く準備をする」と解説のあと、本来、刀身は鞘口の近くに穿たれた穴に通した「下げ緒」で結ばれているので、「鯉口を切る」前に下げ緒を解かねばならない…。と説明されている。だがこれは事実を知らない人の「知ったか振り」と言わざるを得ない。
いわゆる、「下げ緒」は、正式には、栗型(鯉口がら2寸前後離して穿たれた穴を栗型と言う)を通して小刀に巻きつけ、残りを腰に回して帯のように結ぶものです。 これは油断している隙に 鞘ごと刀を敵に奪われないためです。
別に、鯉口が切れないよう また抜刀出来ないよう 柄と鞘を結びつけているのではありません。 そのため「さぐり」と言って、鞘ごと抜き取ろうとしても 帯に引っ掛かって抜けないよう鍵型の突起物を、付けてある刀も多いのです。
従っていちいち下げ緒を解かなくても、刀はいつでも抜ける状態にあると言うのが実際です。第一不意に襲われたとき、いちいち下げ緒を解いたのでは、間に合わず、敵に切られてしまうではありませんか。
普段、刀掛けなどに掛けておくときの下げ緒の結び方。
SERIE-TAN が結んだものです。江戸時代後半の平和な時代には、
こんな結び方のまま帯刀した武士もいたようです。
闘いに望んで、下げ緒でたすきをする場合 こんな結び方で
帯刀すれば便利だったかも知れませんネ。
(123ページ)反りを打つ…「刃を上に向ける」コレも何やら事実に相違するのでは…。第一「反りを打つ」と言う言い方自体が間違いで「反りを打たせる」というのが正しい。
(そしてまっとうな武士は、刃を下向きにして刀を帯びる。そうして刀を抜きにくくしておくのが、武士の作法である。従って眼前の敵に抜き合わせるには、鯉口を切る前に、鞘の鍔元をつかんで大刀の反り(刃の湾曲した部分)を上に向けなければならない。その身構えを「反りを打つ」という。と説明している。
帯刀の仕方…、太刀(タチ)は刃を下にして足金具で水平に吊るすが、室町時代以後に太刀に変わった打刀は 刃を上にして、三重に巻いた角帯の一枚目と二枚目の間に差のが常識です。刃を下向きにして帯刀するなんて SERIE-TAN は聞いた事がありませんワイ。
刃を下にして差すのは、馬に乗るとき鞘の小尻で馬の胴を叩かないためとか、火縄銃などを折敷の型で撃つとき、同じく小尻が邪魔になって 正しい射撃姿勢が取れないときに特別に逆にするのです。これらを特に「天神差し」と言います。
では「反りを打たせる」とはどんな事か?
居合道での抜刀姿勢は、左手で鯉口を切りながら、刃を体の外側に捻り、左ひじが背に付く位、グッと鞘を後ろに引き付けます。 SERIE-TAN はこの姿勢が「反りを打たせる」と言うのではないかと解していますが、如何でしょうか。
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