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沖ノ鳥島守る稚サンゴ、22日に出発 5万5千株移植

2008年04月22日03時00分

 水没が心配される沖ノ鳥島(東京都小笠原村)に移植するため、5万5千株の稚サンゴが22日、1千キロ近く離れた沖縄県・慶良間諸島から帰郷の船旅に出る。稚サンゴは、沖ノ鳥島産の親サンゴが産んだ卵を育てたもので、作業ダイバーが5月上旬までに現地の海底に移植する。

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沖ノ鳥島へ移植するため育てられたサンゴ。1.5センチほどになった=沖縄県座間味村の阿嘉島、恒成利幸撮影

 沖ノ鳥島は、日本の国土面積を上回る約40万平方キロの排他的経済水域(EEZ)をもつ。将来、移植したサンゴが増えれば、島の水没を防ぐ効果があると期待されている。近年、世界各地の海でサンゴが衰弱する白化現象が多発しており、サンゴ礁再生の取り組みとしても注目される。

 沖ノ鳥島で採ったサンゴ約20株が、昨年6〜8月に慶良間諸島・阿嘉島にあるサンゴ種苗生産センターの水槽で産卵した。稚サンゴは、セラミック製の板の上で平均直径1.5センチほどに成長している。順調にいけば、移植後2年で直径15センチほどに育つ見込みだ。(山本智之)

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