日本の人口は東京都に全体の一割がひしめき、三大都市圏への集中が再加速していると先の人口統計にあった 石川、富山両県の人口は減少したものの、総人口に占める率は各0・9%で「一パーセント県」をかろうじて確保した格好だ。寂しい数字だが、全体の傾向に大きな変化はない。ただ、いくつかの問題は見えてくる その一つは、上位の中で大阪府の人口だけが減っていることである。指摘される経済の地盤沈下と長年の府政の混乱が人口減になって表れているならば、行政トップの能力が地域の活力に大きく影響する事例と言えよう 二点目は沖縄の人口が増加していることである。多くの県が人口減に悩む中で特筆すべきことだ。平均所得が低く失業率も高い沖縄が、出生率は高く人口が増えているのである。考えられるのは沖縄県民の郷土愛の強さかもしれない 人口増減を左右するのは政治や経済力だけではない。能力ある行政マンを送り出すのは無論大事だが、ふるさとへの愛着を深め、郷土を知り郷土を誇りに思う教育や運動もまた大切なことを、人口統計は示しているように見える。
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