岡山市北西部にある足守小学校児童の父親らでつくる「足小おやじの会」の代表Mさんからメールを頂きました。
会は地元産のしょうゆと大豆を使って足守出身の蘭方医・緒方洪庵が好んだとされるキャラメルの新製品を開発。六日、地元の「洪庵さくらまつり」で売り出しました。
事前に岡山市民版で紹介したところ、限定三十袋だったこともあり、開始十分で完売。売り切れ後に買いに来る人が何人もいて、Mさんは十月の足守メロンまつりで再度、販売すると約束したそうです。
おやじの会が、なぜキャラメルを―。パワーの秘密を知りたくて、Mさんに連絡しました。ところが返ってきたのは、意外にも「足守も負の遺産を背負ってますから」との答えでした。
豊かな自然の半面、ごみの不法投棄など問題も抱える古里。「どうすれば自分たちの町を守れるのか」。自問する中で「何か人の心に響くことをすれば、良い方向に動くのでは」と考えた行動がキャラメル作りでした。
足守地区は今、市教委から小中一貫教育の導入が提案されています。小規模化が進む周辺四小の統合を伴う案で、提案どおりなら現在地に足守小はなくなります。そんな課題を抱えてのキャラメル作りでもありました。
学校の統合は地域にとってとても大きな問題です。すべての人が一致できる答えは難しいかもしれませんが、Mさんのように古里を愛する皆さんが議論を重ね、何より子どものため、そして地域も受け入れられる結論を導いてほしいと思います。
(政治部・板谷武)