竹島問題の本質(2) よみがえる「李承晩ライン」
このように、将来の「大陸棚延長」と現在の「海洋調査」をつないだところで、今度は過去とつないでみましょう。キーワードは
李承晩ライン
です。「竹島」「拿捕」ときたらこれを説明しないわけにはいかないでしょう。
日本がまだ戦争から立ち直っていない1952年、韓国大統領・李承晩(りしょうばん・イスンマン)は韓国付近の公海での漁業を韓国籍以外の漁船で行うことを禁止しました。つまり海上に一方的に「韓国領」の線を引き、これに違反した漁船(主として日本国籍)を一方的に拿捕・銃撃したのです。
Wikipediaによると、「本当の狙いは韓国で獨島と呼ばれている竹島と対馬の領有を主張するためのものであった」とあります。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%89%BF%E6%99%A9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
朝鮮戦争の最中に準同盟国に対してなにやっとんじゃあ、ボケ!
と思いますが、私の頭では理解できません。もしかしたら韓国軍が釜山にまで押し込まれ、臨時政府を九州に作ることをアメリカに断られたため、対馬と竹島を奪ってそこに逃げようと思っていたのかもしれません。しかし深く考えるとこっちまで狂ってしまいそうなので、そこまで検証してません。
それでどうなったかは、再びWikipediaに譲ります。
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国際法上の慣例を無視した措置として日本側は強く抗議したが、このラインの廃止は1965年(昭和40年)の日韓漁業協定の成立まで待たなくてはならなかった。協定が成立するまでの13年間に、韓国による日本人抑留者は3,929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。
李承晩ラインの問題を解決するにあたり、日本政府は韓国政府の要求に応じて、日本人抑留者の返還と引き換えに、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国人・朝鮮人472人を収容所より放免して在留特別許可を与えた。
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_| ̄|○
わかる人にはピンと来るでしょう。日韓漁業協定は、例の「日韓基本条約」と一緒に結ばれたものです。日韓基本条約の内容は以下のようなものです。
- 韓国政府を朝鮮半島唯一の正当政府と認める(北は単なる武装勢力ということ)
- 日本が朝鮮半島に置いてきた財産(現在価値で8兆円?)を放棄。逆に「経済協力金」として8億ドル(現在価値で10兆円?)を支払った。これは賠償金ではない。←重要
- これをもって、日韓の問題は最終かつ完全に解決した
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%9F%93%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%9D%A1%E7%B4%84
この条約の意図は、「韓国は共産主義国(ソ連・中国・北朝鮮)の防護壁として重要だから、日本が支援して西側につけておきましょう」ということです。当時はまだ北朝鮮が強く、韓国の工業は発達していなかったため、日本と韓国が争って北に侵略する隙を与えたくなかったという事情は理解できます。韓国のほうも日米の足元を見て、それらを要求したということでしょう。
しかし、この「解決」はその後40年にわたって日本を苦しめることになります。いや、日本にとっては「解決」ではなく「禍根」というべきでしょうか。というのも日本は半島においてきた財産を放棄させられ、さらにわけのわからない「協力金」を10兆円も取られ、政治犯を釈放して永住権を与えるという徹底的な譲歩によって「李承晩ライン」で拿捕された4000人の漁民たちを救い出したのです。つまり、
日本は武力で奪われた竹島を取り返さなかった上に、韓国が行った4000人の日本人拉致に対して18兆円の身代金を支払った
という超オイシイ実績を作ってしまったのです。
これを他の国が見たらどう思うでしょうか?
どうみても日米の支援なしには生きていけない韓国が、逆に日本の領土を奪い、国民を拉致して、領土と巨額の資金を手に入れた。
↓
ということは、日本と仲良くやるよりも、奪って拉致してゴネたほうがトクなんでないの?
↓
北朝鮮: おまえらの国民を拉致したぞー! 支援しろー!
中国: 沖縄も我が領土。俺は開発するけど、日本の調査は許さん。
台湾: 尖閣諸島は台湾のもの。沖の鳥島は岩だから日本領ではない。
日米と仲良くすべき台湾でさえ、尖閣諸島や沖ノ鳥島に対して日本の領有権を否定する発言をしています。これは、「韓国にさえ海洋領土を奪われるぐらいだから、うちが強く言えば余裕でもらえるはずだ」という甘えに他なりません。
韓国が現在、「日本が調査船を出したら拿捕するぞ!」と脅しているのは、当時のオイシイ思いが忘れられないからでしょう。それで日本が引っ込めば広大な海洋領土が手に入る。日本が強く出たらまた拿捕して人質を取り、それと引き換えに「経済協力金」や「その他の要求を認めさせる」。日本政府が本気で国民や国土を守る決意を固めない限り、韓国としては日本からむしり放題なのです。
「侵略と拉致」に対して「譲歩と支援」で応えた代償はあまりにも高くついた
ということです。
そのあおりをもろに被ったのは、島根・新潟など日本海側の人たちでした。(3に続く)
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