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経済

電源開発株 外資買い増し認めず 外為審「公の秩序妨げる」(04/16 08:47)

 英国系投資ファンドが電源開発株の買い増しを申請している問題で、政府の関税・外国為替等審議会(外為審)の外資特別部会は十五日、「公の秩序の維持が妨げられる恐れがある」との意見書を全会一致でまとめた。国民生活に密接にかかわる電気事業の公共性を重視し、買い増しを認めるべきではないと判断した。政府は十六日にもこの意見を基に、外為法に沿って初めて投資計画の中止・変更をファンドに勧告する見通しだ。

 電源開発の筆頭株主のザ・チルドレンズ・インベストメント・マスター・ファンド(TCI)は、持ち株比率を9・9%から20%に上げる計画だった。

 電源開発は、本州と道内などを結ぶ総延長約二千四百キロの送電網を持ち、二〇一二年には大間原発(青森県)が稼働予定。経産省はTCIの影響力が増すと、電力供給や原子力政策に支障が生じるとの懸念を示してきた。

 TCIは同日、追加取得する株を銀行などに信託することで送電網や原発に関する議決権を凍結するとの新提案を発表し、「政府の懸念は解消される」と反論。これに対し、会見した吉野直行部会長は「電気事業には二十−二十五年の長期的な視野が必要だが、TCIは三−五年の短期的な利潤を優先する可能性がある」と指摘した。

 外為法は外資が電力や軍事などにかかわる株を10%以上取得する場合、国の認可が必要と定めている。TCIが勧告を拒否すれば、政府はさらに強い命令を出す。

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