奥州市江刺区岩谷堂の歴史公園えさし藤原の郷（さと）で１９日、映画「ＺＥＮ」（高橋伴明監督）の撮影が行われた。同区などからエキストラ１５０人が出演。仏教の修行で中国に渡った道元（１２００―１２５３年）の生涯を描く。

　道元役の中村勘太郎さん、おりん役の内田有紀さんら出演陣とエキストラが、藤原の郷の「大路」や「町並み」で撮影。道元が中国から戻り京都の町を歩く場面では、ちょうど良い風が吹かず１０回ほど取り直した。曇りで気温も低い中、薄着の着物で体を震わすエキストラもいた。

　１５回ほどエキストラとして参加している同区田原の及川政夫さん（４１）は「配役は来るまで分からなかったが、警護武士だったのに驚いた。映画を成功させる一助になればうれしい」と演じていた。

　撮影は２３日まで続けられる。公開時期は未定。海外での公開も視野に入れる。高橋監督（５８）は「イメージ通り撮影ができている。現代社会で失われた、道元の道理にかなった生き方を感じてほしい」と作品の魅力を紹介した。

【写真＝街のにぎわいの様子を演じるエキストラ】