【ベルリン支局】「賛同者は歓迎し、意図しない人が入ってきたらすぐ警察に通報せよ」「ナチスを想起させる行為はするな」--。チベット問題での欧米諸国の対応に抗議し、ベルリンで19日行われたデモ行進は、参加した中国人留学生らに統一行動を指示する「指南書」が配られるなど組織化されていたことが分かった。
26日に聖火リレーが行われる長野市にも数千人規模の中国人留学生が動員される予定で、同様の指示が発せられるとみられる。
毎日新聞が入手したデモ集会ガイド(中国語)によると、「組織委員会」はデモ実施の理由として「独メディアが虚偽の材料で中国を陥れようとする行為への強い不満」などを指摘。また「西側メディアはどんな衝突も必ず我々が悪いと報道する」として、参加者に暴力的な行為を慎むよう指示している。さらに「ビデオやカメラを持つ者は『行き過ぎた不法分子』に遭遇した場合、笑顔で撮影し、警察に通報する」「ごみを持ち帰り、ドイツ人に環境保護の模範を示す」ことなども求めている。
ガイドに携帯電話番号を記した人物は毎日新聞の電話取材に「組織委は全員ボランティアで、中国大使館は関係ない」と述べたが、詳細は答えなかった。
ベルリンでのデモには中国人留学生ら数千人が参加した。
毎日新聞 2008年4月21日 2時30分(最終更新 4月21日 2時30分)