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2008年4月17日 (木)

足元を忘れちゃいませんか

ニュースソースが増えた分、世界の話題が身近に感じられるようになりました。それはいいことではありますが、反面、自身が抱える大事な問題を忘れがちになってはいませんでしょうか。お隣の話題というものは、気付かずに上から目線になってしまいがちなもの。道楽とチャリティが混同されるのは、実はそういう側面も手伝っているのではないかと思います。視線を自身に戻すと、まさに根幹的な問題を日本は抱えていることに気付くはずです。そう、例えば食の問題です。

スリランカの事業や農業スクールの開催などで、ここ最近急速にといっていいほど、農業関係や食品関係の方たちとのコネクションが広がりました。日本の抱える食の問題は深刻だと思います。かつて、食べたおいしい食材の記憶・・・これをやはり後世に残していきたいもの。日本人と農業の距離が広がっているからこそ、厳選された本当の意味でおいしい食材を残していく、そのような社会ニーズがビジネスにならないものか、今そのように考え始めています。

そのような問題意識を抱えながら、スリランカの事業を進めている中で、日本の生産者組合と提携し、安全で需要の高い中国野菜を日本で育成されている中国の企業家の方、独特の方法でオーガニック野菜を育てている農家の方たち、それらを市場に出すのを手伝っている起業家の方々、生産から販売までを担う戦略コンサルタントともいえるPBコンサルタントの方たち、そして生産者と消費者の双方への安心と安全をモットーに活動する食品会社の方々、と非常に貴重な方達にお会いしてきました。

また日本だけではなく、スリランカの潜在的な食材、ドットは少ないがおいしさと安全を保証できる途上国の食材等、数々の有望な商品。

これらの食材は、当然ですが、季節限定のもの。季節にあったものをおいしく頂く。その味と食感の記憶。そしておいしく頂くための調理の仕方。日本の文化、そして食の記憶を残していくための場所を提供したい!食は目や匂いという五感で楽しむのに加え、雰囲気という要素も加えられないだろうか、そう、出来れば、日本の古民家でおいしく厳選された食材を楽しみたい・・・こう考えていた矢先、本当にいい方に出会いました。

京都で「庵」という会社を経営されている梶浦さんという方。京都の町屋を使用し、国内や国外のお客さんたちにコンシェルジェサービスを提供されている方です。また、北海道から沖縄まで、忙しくも精力的に地域振興のコンサルタントをされている方です。

ボランティアやチャリティなんぞ無用だと言い切る姿勢には、それらを見下す態度よりも、むしろ事業継続に対する強い姿勢と、ビジネスの苦労を知る玄人の匂いを感じました。

本当においしい食の提供は、地域活性化の起動源になりうる・・・まさにその通りだと思います。大量消費により、誰も彼もが季節に関係なく食を堪能している現代では、まさに食の地域性が失われているということでもあります。食を大切にする、本物の味を知る舌と記憶を取り戻すことは、とりもなおさず、地域性の再生事業にもなりえるはずです。

ジャンクフードの匂いに食欲を感じるのではなく、季節の風に漂うほのかな食材の香りに食欲をそそのかされる・・・そのような感性とおいしい記憶を取り戻すための事業。これは面白くなりそうです。

今実施している事業以外は、しばらくは余計な事業と関わることは、あるときから敢えて止めてきた自分ですが、この事業案は、遣り甲斐を感じています。久々に企画意欲が湧いてきました。

近いうちに京都に行ってこようと思います。(坂井)

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