【北京・浦松丈二】北京五輪の聖火リレー妨害などへの反発が強まっている中国では、20日も各地でフランスに対する抗議デモが続いた。中国国営・新華社通信によると、デモは陝西省西安、黒竜江省ハルビン、山東省済南、遼寧省大連に飛び火し、拡大の様相を見せている。中国当局は標的になった仏大手スーパー「カルフール」の警備を強化する一方、デモ参加者に自制を呼びかけている。
新華社通信によると、西安のカルフール前では1000人以上の学生が集まり、「北京五輪支持」「チベット独立反対」などを訴えた。ハルビンでも約1000人が参加。湖北省武漢では前日に続き約2000人が集まった。このほか重慶、天津、広東省広州、海南省海口でもデモが発生したという。
20日付の香港紙「明報」によると、安徽省合肥のカルフールで19日、多数のデモ参加者が店舗を取り囲み、一時は1000人以上が店内に乱入。警察は群衆を立ち退かせた後、トラック数十台を店舗前に止めてデモの接近を阻止した。上海市浦東のカルフールでは同日、警察がデモに参加した3人を連行。広東省深センでも一部デモ参加者が連行された。
中国では5月1日のメーデーに合わせ、大規模な抗議行動がネットで呼び掛けられており、デモがさらに広がる可能性もある。
毎日新聞 2008年4月20日 20時38分(最終更新 4月21日 0時59分)