全国で起きている医師不足などの問題を広く知ってもらおうと、県内約30の病院の院長や理事長でつくる県民公開講座実行委員会(辻哲雄代表)は20日、公開講座「医師不足、医療崩壊から再生への道」を福井市西開発の県自治会館で開いた。
全国各地で医師不足解決を訴えるNPO法人「医療制度研究会」副理事長の本田宏・埼玉県済生会栗橋病院副院長(53)が、「道路と命どっちが大切か」をテーマに講演した。市民ら約250人が国内の医療の現状についての説明に聴き入った。
本田副院長は「国の医療費削減で、国内の医師数は経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国平均より十数万人も不足している」と指摘。「医療は国民の命を守る安全保障。黙っていては医療費はどんどん削られる。国民自体がもっと政治に対して声を上げることが必要だ」と訴えた。【松井聡】
毎日新聞 2008年4月21日 地方版