福井社会保険病院(勝山市)が昨年4月から分娩(ぶんべん)業務を取りやめるなど、深刻な産科医不足に陥っている勝山、大野両市と、福井大医学部付属病院(永平寺町)との医療連携締結1年を記念し、勝山市内で20日、同病院の小辻文和・産科婦人科長が「安心して産婦人科医療を受けられるまちを目指して」のテーマで講演した。
小辻科長は、充実した産科医療施設の条件を、通院までの時間が60分以内▽1病院あたり産科医が5、6人在勤--と指摘。「付属病院は奥越から約60分の位置にある。日常の検診などは福井社会保険病院で受け、一生のうち数日間だけ付属病院に入院することで、奥越の住民にとって便利で安全な医療の提供ができる」と語った。
また、講演会の冒頭では、勝山市の山岸正裕市長が、同付属病院との連携の経緯を出席者に説明した。その上で、付属病院までの交通費や第1、2子妊娠時の妊婦検診費助成事業など行政としての取り組みを紹介した。【菅沼舞】
毎日新聞 2008年4月21日 地方版