一週間ほど前。犬と散歩をしているとき、何とも不思議な光景に出くわしました。
「バチン」。ものすごい音をたて、前方に銀色の物体が降ってきたのです。駆け寄ると、かなりの大きさのフナ。上空からは野鳥の鳴き声。獲物をくわえて飛行中に落としたようです。「あのことか」と、とっさに思い出しました。
電力会社の社員から聞いた話です。停電の原因を調べたら、電線の金具にサンマが引っ掛かっていたことがあったといいます。鳥が運んだのでしょう。目の前に横たわるフナに、なるほどと納得させられました。
ヘビなども含め、野生生物が引き起こす停電は後を絶ちません。特に今の時期はカラスの繁殖期。電柱の上に巣作りでくわえてきた針金ハンガーが大敵です。
各営業所は見回りを強化したり、さまざまな形状の防巣具を取り付けるなど、対策に知恵を絞っています。
地味な取り組みです。しかも、やりだしたらきりがありません。そんな縁の下で社業を支える業務が、どんな会社にもあります。
地場企業でも、新入社員研修が続いています。みんな、予定される配属先での役割を理解し、仕事を覚えようと懸命でしょう。
ただ、組織は一つの部署だけで成り立っているわけではありません。社全体の仕事を知ろうという広い視野を持てば、それぞれの会社にスムーズに溶け込めると思います。
(経済部・大森知彦)