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対向トラックから タイヤ脱落 バス直撃 運転手死亡東名高速7人けが 整備不良 原因か(上)タイヤが直撃したバスを調べる警察官ら(11日午後4時20分過ぎ)(下)走行中にタイヤがはずれたトラックの車軸部分。矢印は破損したボルト部分(11日午後5時、いずれも静岡市の東名高速・静岡ICで)=鈴木毅彦撮影
11日午前11時8分ごろ、静岡県牧之原市坂部の東名高速道で、大型トラックの左後輪の一つが外れて中央分離帯を越え、対向の観光バスの運転席を直撃した。この事故で、「名阪近鉄バス」(名古屋市)運転手の関谷定男さん(57)(岐阜県大垣市)が頭などを打って死亡し、愛知県稲沢市の男女乗客7人が軽傷を負った。タイヤを車軸に留めるボルト8本が折れており、静岡県警はトラックの整備不良が原因とみている。 折れたボルトのうち数本の破断面がさびついているといい、県警などは以前から折れていたボルトによって走行中にほかのボルトに負荷がかかり、脱輪した可能性が高いとみている。 トラックは産業廃棄物の運搬中で下り走行車線を、バスは上り追い越し車線を走っていた。調べに対し、トラックの浜松市中区、植木丈喜運転手(37)は「ガラガラという音がして200〜300メートル走った後、後ろをタイヤが横切るのをミラー越しに見た」と話しているという。 タイヤは直径約1メートル、重さ約100キロあり、トラックを追い掛けるように路上を転がって、高さ約1メートルの中央分離帯ガードレールで跳ね上がり、バスの正面ガラスから車内に飛び込んだ。バスは数秒間、60メートル以上走って静かに停止。関谷さんはタイヤに直撃されながら、足はブレーキペダル上にあり、無意識のうちブレーキを踏んだとみられる。 バスには乗客39人と女性乗務員が乗っており、愛知県一宮市を出発し、SLに乗る日帰り旅行で静岡県島田市に向かっていた。乗客の大脇まさをさん(82)は「女性2人が、飛び散ったガラスで顔じゅうが血だらけになっていた」といい、富田はる子さん(76)は「体じゅうにガラスの破片が飛んできて恐ろしかった」と声を震わせた。 国土交通省によると、大型トラック・バスの同種の車輪脱落事故は、1999〜2006年に221件あった。ボルトの締め付けが強すぎたり弱すぎたりするなどの整備不良が原因のケースが多いという。 今回のトラックはいすゞ自動車製で、04年4月には青森県で同型車が整備不良により走行中にタイヤが脱落する事故が起きている。 関谷さん誕生日の悲劇死亡した
関谷定男さん 亡くなった関谷定男さんは11日が57歳の誕生日。1984年9月、名阪近鉄バスに入社して以来、観光バスの運転一筋だった。無事故表彰なども受け、2003年3月には同社が優秀運転手として認定する「師範運転士」に選ばれた。 観光バス営業部岐阜支店の熊谷好弘支店長(48)は「関谷さんは誰からも慕われていた。お客さんからも、『また、関谷さんを頼む』と指名があるほどだった」と話していた。また、同支店長は「私たちは事故がないように常日ごろから注意している。どうしてこうなったのか詳しく調べてほしい」と無念さをにじませた。 (2008年4月12日 読売新聞)
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