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「アンドロメダの涙」のナゾを解明 筑波大スパコン

2008年04月20日20時40分

 アンドロメダ銀河の円盤から細長く伸びる星の集団「アンドロメダの涙」の正体を、筑波大の森正夫・准教授(宇宙物理学)らのチームが突き止めた。スーパーコンピューターで計算した結果、約8億年前、アンドロメダ銀河に小さな銀河が衝突し、その残骸(ざんがい)が広がったものだという。

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10億年前、小銀河(上)がアンドロメダ銀河(下)に接近

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銀河同士が衝突。星々が飛び散る7.5億年前の姿

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5億年前、飛散した星々が広がり「涙」(右下)に=いずれも森正夫・准教授提供

 アンドロメダ銀河は地球から約230万光年の距離にある渦巻き銀河。近年、米ハッブル宇宙望遠鏡などによる詳細な観測で、銀河の周辺に、これまで知られていなかった星の集団があることが判明。「涙」もその一つで、円盤のそばに全長40万光年にわたって細長く広がっている。

 計算機シミュレーションの結果、アンドロメダ銀河に衝突し、「涙」ができるきっかけをつくったのは、同銀河の400分の1程度の質量をもつ小さな銀河だった。「涙」を形づくる星々の質量は、全部合わせると太陽の約3億倍にもなるという。

 森准教授は「衝突によって散らばった星々は、これから20億〜30億年後には、アンドロメダ銀河の円盤を取り囲むように球状に広がってゆくはずだ」と話す。(山本智之)

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