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「店先の鉢、撤去して」聖火リレー前に長野の商店会

2008年04月20日09時13分

 長野市で26日にある北京五輪の聖火リレーで、ルートになっている市中心街の六つの商店会(計約400店)が、歩道上に飾るプランターやのぼり旗などの前日撤去を各店に求めることを決めた。当日は「色々な信条の人」が訪れる可能性があり、混乱を未然に防ぐためという。商店会幹部の一人は「歓迎と緊張がこんなに入り交じった雰囲気は初めて」と漏らす。

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聖火リレーの前日までに撤去される街頭の鉢植えやのぼり旗=19日、長野市、上田幸一撮影

 この六つの商店会は、JR長野駅から善光寺の参道までを南北に貫く大通り沿いにある。聖火リレーのルートは現在、善光寺に代わる新たな出発地の選定が進められているが、変更後のルートも六つの商店会の中や近くを通るとみられる。

 多くの店が、のぼり旗を日常掲げているのに加え、街中を花で飾る大型連休の催し「善光寺花回廊」に向け、多数のプランターやつり鉢を店の前に置く。聖火リレーが各国で混乱していることから、18日に商店会の代表者が協議して、これらの撤去を各店に求めることを決めたという。

 この結論を受け、「東後町商盛会」の工藤忠利会長(63)は19日、各店に文書を配った。「色々な信条の人も外部より大勢参加の見込みです」「万一、物を投げられたり棒のような物を振り回されたりしても困る」として、プランターやのぼり旗の前日中の片付けを求めている。

 六つの商店会は当初、聖火リレーを歓迎するため、走者の通過予定時間の午前8時半より前に開店することを各店に要請していた。だが、代表者による協議で、各店の判断に任せることも決めた。

 この協議では、暴力や物が壊されるのを恐れる声や、「チベットの人権問題が騒がれる中、自分たちだけが盛り上がっていいのか」といった自制の意見が出た。一方、「せっかく大勢の人が来るんだから開けよう」との声もあったという。(及川綾子)

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