制作費↑、輸出↓で韓流ドラマが「寒流」に?
韓流ブームのけん引役として東アジア地域を風靡(ふうび)した韓国ドラマ産業がピンチに立たされている。各ドラマ制作会社は「うなぎ上りの人気脚本家の報酬や俳優の出演料に持ちこたえられず死に体」であるのに対し、ドラマの海外輸出は減り、韓国国内の視聴率も下がるという危機的な状況を迎えているためだ。
金鐘学(キム・ジョンハク)プロダクション、オリーブナイン、チョロクペム・メディアといった韓国の主なドラマ制作会社40社が所属している韓国ドラマ制作会社協会は7日、ソウル市陽川区にある放送会館で記者会見を開き、「現在の制作環境では韓国のドラマ産業は衰退する一方だ」と対策に足並みを揃える方針を明らかにした。同協会のキム・スンス事務総長は「全国ネット局は制作会社に実質的な制作費の40-60%程度を支払っているが、俳優や脚本家への報酬が天井知らずの勢いで上昇している。その上、制作単価が上がり、輸出も振るわない状況が続いており、実験的な作品も少なくなっている」と語った。
制作会社代表らによると、最近は特Aクラスの俳優の出演料や脚本家の報酬は1話当たり3000万ウォン(約362万円)を上回ることもあるという。このため、4-5年前は9000万ウォン(約110万円)程度だったドラマ1話当たりの平均制作費は1億 5000万ウォン(約1800万円)台まで上昇した。
あるドラマ制作会社の代表は「最近はドラマ制作会社がドラマを作ると、損をするだけだ。全国ネット局が優位な立場を利用し、ほとんどのドラマの版権を握っているのも問題」と話している。また、別の制作会社代表は「視聴率30%を超えたドラマでも赤字になった。3年前に比べ脚本家の報酬や俳優の出演料は2倍以上になっているのに対し、全国ネット局が制作会社に支払う金額はほとんど変わっていない」と語った。
ドラマの海外輸出額もこのところ急減している。韓国放送映像産業振興院によると、2005年に1億162万ドル(約115億2000万円)に達した輸出額は、06年には8589万1000ドル(約97億4000万円)へと減少したという。2000年以降、ドラマ輸出額が減少したのは初めてだ。韓国では最近、視聴率20%を超えるドラマがあまり多くなくなった。視聴率調査専門機関のAGBニールセン・メディア・リサーチによると、上半期の場合、04年・05年は平均視聴率20%を越えたドラマが11本あったが、06年は6本、07年には7本と大幅に少なくなっているという。
韓国放送映像産業振興院のキム・ヨンドク研究員は「制作費が上昇したことから、日本では韓国ドラマが米国のドラマよりも高い価格で販売されているが、このため価格競争力が低下した。“元祖”韓流スターが出演したドラマもこの数年間、東アジア市場でほとんどが消費された状況で、ドラマ輸出額は減少の一途をたどる可能性が高い」と話している。
チェ・スンヒョン記者
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