中国によるチベット自治区の暴動弾圧に抗議するデモが19日、名古屋市中区栄で行われた。インターネットの掲示板を介して知り合った若者らが企画。東海地方を中心に集まった約500人が「チベット人を見殺しにするな」と声を張り上げ、約2時間行進した。
3月に東京と大阪で行われた抗議デモに触発され、岐阜県多治見市の女性会社員(29)が「2ちゃんねる」の掲示板で呼びかけたのが最初。別のサイトの掲示板にも広まり、興味を持った10代から40代の若者約60人が話し合いを重ねた。
この日は、デモ実行委員会代表の林英樹さん(34)=愛知県岡崎市=が「我々にできることは声を上げることだ。チベット人のために心を割いてください。この声は他の地域にも届く」とあいさつ。弾圧の犠牲者に黙とうをささげた後、「フリー、チベット(チベットに自由を)」なとど書かれたプラカードや、チベット人が「国旗」とする旗を掲げ行進した。
名古屋市内に住むチベット人も数人参加した。「真実と正義は勝つ」と書かれたプラカードを首から下げた男性(44)は「日本人がチベットの問題に注目してくれるのはうれしい。しかし、五輪が近いという一時的な関心に終わって欲しくない。チベット人が恐れるのは五輪後、弾圧がひどくなることだ」と話した。【中村かさね】
毎日新聞 2008年4月20日 2時04分