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【主張】李大統領来日 日米韓協力へ復帰を歓迎

2008.4.20 02:35
このニュースのトピックス主張

 韓国の李明博大統領がきょう来日する。初の外遊で米国訪問の帰途、立ち寄る。経済人出身の実務型大統領らしく、夜到着して夜帰国する1泊2日の慌ただしい訪日だ。相手が日本だとつい肩に力が入るのがこれまでの韓国の対日外交だったが、実務的訪問でスタートというのはいかにも李明博政権らしい。

 韓国大統領の初の日本訪問というと、これまでは決まって「過去問題」が課題になった。韓国にとっては「日本にいかに“謝罪と反省”をさせるか」であり、日本にとっては「また“謝罪と反省”を言わされるのか」という気の重さがあった。

 日韓外交の一種の“通過儀礼”だったが、今回は“過去離れ”がうかがわれる。形式にこだわらず「理念より実用」「過去より未来」という、これまた李明博政権らしい姿勢だ。この姿勢がぜひ持続され、真の未来志向的な両国関係が築かれるよう期待したい。

 李明博大統領の今回の外遊は、米国および日本との信頼関係を回復し、伝統的な日米韓協力体制を再構築することを目的にしている。「自主外交」とか「韓国独自の役割」を強調し、肩ひじ張った盧武鉉前政権の外交姿勢を改め、3国協力体制を基本に韓国の未来を開こうというのだ。

 北朝鮮の核開発や中国の膨張主義など、難しい国際環境は日本も韓国も同じである。韓国が日米韓協力路線に立ち戻ったことは大いに歓迎される。とくに北朝鮮との間で拉致問題解決という課題を抱える日本としては、李明博政権が北朝鮮の人権問題に強い関心を示していることは心強い。

 ところで李明博大統領は“経済大統領”を看板に経済的成果を国民に約束している。当然、日本にも期待が大きい。

 たとえば年間300億ドルの赤字という、韓国にとって最大の貿易赤字国である日本との貿易収支改善を迫られている。輸出大国・韓国は日本からの部品や素材の大量輸入で成り立っているのだが、日本にとって韓国はそれだけ“お客さま”ということでもある。

 部品・素材産業をはじめ、双方の経済が補完的に協力し合う道はないのか。日本としては“お客さま”を大事にしながら、お互いの利益をさぐるということだ。その意味でこの際、日韓自由貿易協定(FTA)締結をぜひ視野に入れた新しい協力関係を考えたい。

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