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アナログ放送、全国一斉終了へ 総務省方針

2008年04月20日

 2011年7月24日に予定されている地上波テレビのデジタル放送(地デジ)への完全移行に合わせ、地上アナログ放送は全国一斉に停止する方針を、総務省などが固めた。予期できない問題の発生をチェックするため、一部地域での「先行停波」を検討したが、時間的な余裕がなく地デジの普及が遅れている地方が混乱すると判断した。

 情報通信審議会(総務相の諮問機関)が昨年8月にまとめた地デジ普及についての中間答申では、アナログ停波に向けた問題点の洗い出しが課題とされた。このため、モデル地域でアナログ放送を先行停波することの是非が焦点になり、総務省、NHK、全民放で構成される全国協議会が具体的な計画を検討していた。

 先行停波する場合は、視聴者数が都市より少ない地方での実施が想定された。しかし、地方ではデジタル中継局の設置時期が遅く、具体的なデータは公表されていないものの「受信機の普及も大都市ほど進んでいない」(総務省幹部)。その状況での先行停波には地方の自治体に反発があり、協議会は「特定の地域を対象にすれば地域間の不公平感が高まる」として、先行停波を断念した。

 一斉に停波すれば地域間の公平性は保たれ、視聴者にも「11年7月24日にアナログ放送は一斉に終わる」と周知しやすい。しかし、予期できなかったトラブルが全国的に起きる恐れもある。

 このため、地デジへの完全移行まで3年となる今夏から、総務省と放送業界は地デジ受信機の普及率アップに向けた取り組みを抜本的に強化する。NHK・全民放の放送で文字スーパーやロゴを挿入するほか、毎日の番組終了時には「お知らせ」画面を放映する予定だ。

 総務省によると、海外では英国が4年かけて地域ごとに段階的なアナログ停波を実施中。一方、一斉停波を計画している米国は、地デジ普及の遅れで停波を延期した。総務省などが一斉停波の方針を固めたことで、混乱を避けるための「停波延期論」が現実味を帯びる可能性もある。

 地デジは日本では03年に始まり、07年3月時点の受信機の世帯普及率は約28%。今夏の北京五輪時に半数弱の世帯に普及させる計画だ。

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