2008年04月08日
関連キーワード:株式投資 投資信託 定年・セカンドライフ 団塊世代 資産運用
資産1億円以上の富裕層限定SNS「YUCASEE(ゆかし)」の中身
2008年3月の米・フォーブス誌の発表で、世界的投資家ウォーレン・バフェット氏がビル・ゲイツ氏を抜き、初めて世界長者番付の第1位になるというニュースが世界中を駆け回った。なんと、バフェット氏の資産は620億ドル(約6兆2000万円)に上る。
彼ら常連の米国資産家以外にも、中国やインド、ロシアの新興資産家も抬頭し、世界的に大きな変化が見られる富豪の世界だが、我ら日本の富豪たちの周りでも、ある潮流が起こっている。
純金融資産1億円以上の富裕層は、日本の人口の1.2%、約100人に1人の割合になるというが、彼らをネットワークしようとする動きが盛んなことだ。その代表といえるのが、2006年11月に開設された富裕層限定のSNS「YUCASEE(ゆかし)」だ。
この一風変わったネーミング、「ゆかし」とは、「見たい、知りたい、会いに行きたい」を意味する日本の古語だという。入会資格は純金融資産1億円以上。「プライベートクラブの品格を維持するために」入会審査も行っている。
運営元のアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社は2004年の設立、富裕層マーケティング事業などを手がけている。
代表を務める高岡壮一郎氏は1974年生まれという若さ。東京大学、三井物産の経歴を持つが、今年2月に『富裕層はなぜ、YUCASEEに入るのか』(幻冬舎)を出版したことで、YUCASEEの認知度が俄然アップし、メディアからも注目を集めることとなった。30~40代の新世代富裕層を「インテリッチ」と称し、彼らの生態やYUCASEEのあり方を説く。
開設当初は、アブラハム社が提携する企業からの「お得意様」のみが招待される仕組みであった。この提携企業、宇宙旅行(JTB)や資産運用(日興コーディアル証券)、外資系銀行(UBS)、海外名門学校留学、不動産など、富裕層とゆかりのある企業ばかりだが、最近では会員からの紹介も多く、20代から70代まで登録し、中心となるのは30~40代の資産家や個人投資家、経営者などだという。入会金や利用料は無料だが、YUCASEE限定サービス(ヘッジファンド紹介、不動産購入、海外旅行など)を利用する場合は、随時料金が発生する。
いずれにせよ、この世界には縁もゆかりもない筆者などは溜め息が出るばかりだが、考えてみれば一握りの富裕層というのは孤独な立場にあるのかもしれない。ヨーロッパの社交クラブを彷彿とさせるこのYUCASEEが、どれほど日本社会に根付いていくのか、気になるところだ。
(田島薫)
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